2012年12月25日

Merry Christmas!

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Merry Christmas!
冬の光に溢れたクリスマスをお元気でお過ごしでしょうか?

昨日の夕方、デパートの地下を通り抜けようとしたら、「通り抜ける」なんてことがほとんど不可能なぐらいに、たくさんの人でごった返していました。あちこちにたくさんの行列ができています。

何とか1階に上がってみたら、今度はジュエリーのショーケースの前が、若い男女でいっぱいです。

やっと通りに出てみたら、目の前をオートバイに乗ったサンタさんたちが手を振りながらびゅんびゅんと通り過ぎて行きました。

日本のクリスマスって、こんなに賑やかだったでしょうか。

それにひきかえ、ギリシャ、アメリカ、その他の国々を思い出してみても、クリスマスと言う言葉から思い起こされるイメージは「静かな日」です。ギリシャに住んでいた時は、一年のうちで一番寂しい日がクリスマスでした。仲の良い友人たちはみな故郷や実家に帰ってしまいますし、お店も博物館もお休み。夜ともなれば、静まり返った町の家々の窓からは、この日のために集まった家族たちが織りなす明るい光と華やぎの声が届きます。

まだこのブログを始める前のこと、ある新聞社のウェブサイトで小文を書いていたことがあります。久しぶりにそんな昔の記憶をたぐってみました。

「イブの空港の風景はいつもとは全く違います。バラの花や風船を持って今か今かと家族が出て来るのを待っている人たちがたくさんいます。アメリカ人ばかりではありません。サリーを着た人も、いかにもギリシャ人とわかる髭を伸ばした人も、お祖父さん、お祖母さん、孫たちも一緒に待っている中国人の大家族もいます。サンタクロース姿で出迎えている人もいます。あちらこちらで歓声と抱擁が繰り返され、いろいろな国の言葉が聞こえてきます。

駐車場のゲートでいつものようにお金を払おうとすると、「No toll today. Merry Christmas!」(今日は駐車場代はただよ。メリークリスマス!)と、肌の黒い女性が白い歯を見せて微笑みます。

家までの道はガラガラ。東京のイブの喧騒とは大違いの静けさです。ただ一か所だけ、車の長い列が見られる所がありました。郊外のショッピングモールの前です。夫が言いました。『大急ぎでプレゼントを買いに来た人たちだね。Last minutes shopper(最後の駆け込み客)と言うんだよ。』 (2007年12月28日「14時間遅れのクリスマス」)

「私たちも郊外の妹夫婦の家で七面鳥を食べながらイブを祝うのが定番となっています。毎年クリスマスの1週間前になると、半階段を上がった居間の決まった場所に2メートルもの本物のモミの木が森から運び込まれ、ありとあらゆる飾りが付けられます。日本ではまず考えられないようなゴムでできた茹であがりロブスターなどもぶら下がっています。。

これはラリーの両親からもらったもの、これはドリーのひいおばあちゃんが大事にしていたもの、これは二人で行ったニューオーリンズで買った路面電車の模型、これは長女が赤ん坊の時にベッドで抱いていたスヌーピー、これは長男が幼稚園で作ったお星さま、これはサンフランシスコの、、、、これはトロントの、、、、、と、いったんその謂れを尋ねようものなら大変です。何しろクリスマスツリーの上には家族の全歴史が飾られているようなものなのですから。
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ある枝にはプラスチックの飾りばかりが見られます。
『戦時中は金属がなくて、プラスチックしか手に入らなかったんですって。』
そんな言葉にあらためて眺めて見れば、家族の歴史ばかりでなくアメリカという国の歴史までもが1本のクリスマスツリーの上に表れているようです。思い出がたくさん飾られたクリスマスツリーは1月6日のエピファニーまで人々の心を暖め、その後は枝を切って森に戻されます。

ファミリーディナーに続いてしばらくは、親しい友人たちを招いたり招かれたりの日々が続きます。クリスマスは、愛する人たちと共に、過ぎ去ろうとするこの一年に感謝をし、新しくやってくる一年を静かに語り合う季節です。」(2007年1月19日『静かなクリスマス』)

Merry Christmas!
愛と優しさに包まれた時間が流れますように。

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By 池澤ショーエンバウム直美


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12月25日(火):プロヴァンスの香り〜ジョエルデュランのチョコレート
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2012年12月23日

幸福って何だろう〜小林直樹先生をお迎えして その2

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幸福とは何だと思いますか?
どんな時に幸福を感じますか?
あなたにとって幸福の条件はどんなことですか?

会の世話人から事前に出された3つの質問に寄せられたたくさんの答の中から、共感できるものをいくつかあげるとすれば、、、、

*心が愛で満たされた状態
*愛する人がいて愛される人がいること
*守りたい人がいること
*憎まずにいられること
*常にあった痛みが一時的に消えた時
*自然の美に気づいた時、たとえば夕焼けの雲の変化
*自然の偉大さの前で、人間の小ささを思うこと
*自分が宇宙や地球生物の一員であると感じられる瞬間
*思わぬ作曲家の音楽が心に浸みわたった時    等々

小林直樹先生は、そうしたそれぞれの幸福についての思い、そこに達することができない状況や心の葛藤をお聞きくださり、ご自身の経験や考えを話してくださいました。その全部をお伝えすることはとてもできませんが、心の奥底に今もなお響く言葉を書き残します。

「仕事の達成や、家族や友との交わり、心満たされた状態がずっと続くこと、などが通常考えられる幸福感でしょう。けれども、私に関して言えば、ここに私として生きているということこそが幸福です。それは非常な偶然です。奇跡としてしか考えられない偶然です。父と母が出会い、そのまた両親が出会い、そのまた、、、、という具合に、たくさんの偶然が積み重なった結果です。ほんのちょっとしたことが狂ったり、たった一つの偶然が欠けても、私はここにいることはなかったでしょう。我々ひとりひとりの存在そのものが奇跡なのです。存在そのものが幸せなのです。」

無数の偶然が組み合わさって今ここに生きていること、集っていること、存在していることこそが幸福であるという先生のお言葉は不思議に清々しく、今いる自分をそのまま受け入れられそうになります。苦しんでもいいんだ、悲しんでもいいんだ、存在していることが幸せなんだから、と思えば、先回書いたように、自分の中に滞留していた重いものがふーっと軽くなるようにすら感じます。

先生の言葉を受けて、こんなことを言った方々がいました。

「ここにいない可能性も無数にあって、ほんのちょっとのことで今の人生がある。そう思えば少しでも役に立てることをしたくなります。それが存在することへの感謝です。」

「幸せか不幸かなんてあまり考えてこなかった、ということが幸せだったということなんでしょうね。」

小林先生のお話は言うに及ばず、こうして、「偶然」居合わせた人たちが率直に言葉を交わす場を持てたこともまた嬉しいことでした。

先生は、昨年の会でもこんな言葉を私たちの胸にお残しになりました。

「生命を与えられたこと自体が奇跡です。ある世代に生まれたこと自体が偶然です。生きていること自体が幸福です。もちろん人生には数々のアクシデントがあります。けれどもそれらの運命をどう受け止めるか、それらとどう向き合っていくかが、幸不幸の分かれ目ではないでしょうか。」

師走も残すところ8日。クリスマスイブを前にして、JAL時代の親友たちとの恒例の忘年会トークに、みながみな時間のたつのも忘れて慌てて腰を上げた帰り道、マフラーをしめなおして真冬の夜空を仰げば、澄みきった空にふっくらと膨らみ始めた半月がかかっていました。その静謐な光のなんと神々しかったことでしょう! 古今東西、朝には太陽が、夜には月が昇るという、何があっても変わらない自然のゆるぎなさの中では、私たちの存在など大海の一波にもなりません。それもまた幸せな感覚です。
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By 池澤ショーエンバウム直美


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12月23日(日):シンプル デリシャス オレンジサラダ
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2012年12月21日

幸福って何だろう〜小林直樹先生をお迎えして その1

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昨日、91歳を迎えられた憲法学者の小林直樹先生が、穏やかな語り口の中にも、まっすぐに私たちを見据えるような眼差しで、「幸福」についてお語りくださいました。

「『幸福』って何だろう〜小林直樹先生をお迎えして考えます。」という世話人からの案内には、手書きでこう書かれていました。

「2012年秋季講座では真の幸せを生きる人間像を能と聖書の中に求め、底流で響き合う魂に心と耳を澄ませてきました。今期の仕上げとして、憲法学の頂点に立つ東大名誉教授、小林直樹先生を三たびお迎えして『幸福とは何だろう?』をテーマに考えます。」

これは、能と聖書の共鳴を国内外で説いていらっしゃる湯浅裕子先生のもとで、一見異なる世界と文化の分かち合いを学ぶ「能と聖書の響き合い」という講座です。尊敬する湯浅先生との出会いや、講座が生まれた経緯などについては何度か書いたことがありますのでここでは触れませんが、2006年の9月に銀座の教室で産声をあげた講座です。

3年4か月後、2009年末にこの教室が閉じられてからは、継続を望む人たちの努力によって、新たな場所で自主的に運営されてきました。関わる方全員の善意の上に成り立っている講座と言ってもいいでしょう。皆がそれぞれの役割を暗黙の了解のうちに担い、助け合っているのです。怒ることが苦手な私ですが、もしこの会を営利目的だのなんだのという卑しい言葉で貶めるヤカラがいたとしたら、私は本気で怒るかもしれません。

先生は毎月京都からおいでくださいます。
昨日も朝、新幹線に乗られて、会が終わってもう外が暗くなり始めた頃にまた東京駅に向かわれました。

厳しい懐の中で世話人が用意した茶菓がテーブルの上に置かれれば、これも、これも、と、皆様がお持ち寄りになった果物やケーキでテーブルが埋まります。先生までもが京都のお菓子を前もってお届けくださいました。

私に与えていただいた役割は、小林先生と湯浅先生、そして皆様が気に入っていてくださるこの家を自由に使っていただくこと、そしておいでになる方々が居心地の良い時間を過ごして下さるように精いっぱい心を配ること、加えて先生方と20名の受講生たちとの間を繋ぐ進行役をつとめることでした。皆様にはあらかじめ、幸福に関するいくつかの質問が与えられ、その回答が配られていました。

世話役からの案内文にはこんなことも書かれています。

「今回の会では、難しい議論ではなく、今すぐにも思い浮かんでくる、いわば草の根の日常的な幸福感を基本に話し合えればと願っています。皆さんのざっくばらんなフリートーキングとともに、憲法学の立場からのお話もうかがえるでしょう。

きりのいいところでティーブレークにします。さらに気楽な雰囲気の中で、せっかくの機会ですから『第二部』は人生の先達であり森羅万象に造詣の深い小林先生に何でもうかがって下さい。きっと楽しいやりとりになるでしょう。」

小林先生は同じ場に集った人たちひとりひとりの「幸福感」に耳を傾け、ある時はそれを受けてご自身の経験を語り、ある時は助言をくださり、ある時は思いをただ受け止めてくださいました。自分の中に滞留していた重いものが、ふーっと軽くなったように感じたのは、たぶん私だけではなかったはずです。

素晴らしい会でした。先生のお言葉についてはまた次回にお伝えさせていただければと思います。

By 池澤ショーエンバウム直美


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12月21日(金):ちょっと素敵なティーパンチ


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2012年12月20日

Short Short Spain 14

美しき 路上の セロ弾き
(バルセロナ)
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By 池澤ショーエンバウム直美
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2012年12月19日

旅は道連れ 運転は共同作業〜マドリッドへの道

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あの日、グラナダを発ったのは朝の8時45分、珍しく夜の間に雨が降ったようです。石畳を覆う落ち葉がしっとりと濡れて、山から下界へと下りた霧は、まるでこの美しい地に私たちを閉じ込め、引き留めようとするかのように行方を閉ざします。それでも私たちはマドリッドへと走り続けなければなりません。

途中降り出した雨が止み、次第に霧が晴れて、どこまでも続くオリーブの畑が現れました。さすがにオリーブの生産量第一位を誇るスペインです。
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ちなみに、オリーブの生産国の98%は地中海諸国、そして、その3分の2がヨーロッパです。FAO(国連食糧農業機関)の統計によれば、2010年のオリーブの総生産量2057トンのうち、スペインは801万トン、つまり約4割を占めています。

祭日の合間だからでしょうか、高速道路には後にも先にも車の影もありません。
給油ついでに最初の休憩を取る頃に、またワイパーが必要なぐらいの雨になりました。

マドリッドまであと307キロ、雨脚が強まり始めました。
230キロ、雨が上がりました。
遠くに低い山をいだく平野が連なります。
荒野と言った方が適切かもしれません。

読み始めたばかりの「アルハンブラ物語」(ワシントン・アービング、江間章子訳)の最初の章にはこんなくだりが見られます。

「多くの人びとは、スペインというと、官能的なイタリアの華麗な魅力を想い浮べて、その地つづきのあたたかい南国を想像しがちだろう。地中海に沿った一部には、そうした土地もあるが、広大なスペインの国土の大部分はさびれた憂鬱そのもので、荒涼とした山岳地帯と、一本の木とても生えていない茫漠とした平原にわかれている。野蛮で、アフリカを想わせる底知れぬさびしさと静寂。そうしたものがいちめんに漂っているのが、実はスペインの土地なのである。」

あと220キロ、外の気温は8度を示しています。
小雨に変わった中で目に映り始めたのは、ひたすら続く赤い地面でした。
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あと150キロ、短く刈られた葡萄畑が豊穣の後の寂寞を見せます。
降ったり止んだりの雨の中、私たちは走り続けます。灰色の雲が厚く空を覆います。

100、50、30、、、、、
マドリッドが次第に近づきます。
車が増え、見えるのは、オリーブ畑や、荒野や、赤土の平野や、刈り取られた葡萄畑ではなく、空に向かって高く伸びたビルです。
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到着した空港のホテルは、青い光の中にありました。
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車のメーターを見れば、グラナダからマドリッドまではおよそ430キロ。
くしくも、バレンシアからグラナダへの道とほとんど同じ距離です。

スペインでの国内移動でお勧めしたいのは、まずはAVEやAVANTなどの高速で走る新幹線ですが、全ての移動がこれでできるわけではありません。その場合にはやはりレンタカーに頼ることになります。車の旅には魅力もたくさんあります。時間に制約をされることもありませんから、自由気ままに寄り道をすることができます。ガイドブックに載っていないような小さな村を訪ねることだってできます。

けれども、注意しなくてはならないことが2つあります。1つは、オートマ車を見つけにくいことですし、もう1つは、一人での運転には無理があるということです。スペインに限ったことではありませんが、旅先での運転には、標識を読んだり、地図を見たりする相棒が必要です。加えてそれがロングドライブならばなおのこと、話し相手が必要となります。

旅は道連れ、運転は共同作業。
これはまた、一緒に達成感を味わい、同じ思い出を共有する喜びをプレゼントしてくれたりもします。

By 池澤ショーエンバウム直美

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12月19日(火):クリスマスのテーブル
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:57| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月18日

プレイバック TO クリスマス その1

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今年最後のグローバルキッチンが始まっています。スペインから戻ってすぐの開催は、いくら前々から準備をしていたとはいえ、正直なところかなり大変でした。限られた時間の中で、資料を作り印刷し、買い出しをし、掃除をし、部屋もテーブルもクリスマスらしく整えなければなりません。何しろ今月のテーマは「クリスマスの喜び」なのですから。

私たちはまず一緒にクリスマスの意味について考えました。
クリスマスって何だろう?
どうしてXmasと書くのだろう?
待降節って?
サンタクロースって誰?

そして、グローバルキッチンらしく、クリスマスの食事とご馳走について。
そして、やはりグローバルキッチンらしく、世界のクリスマスについて。
南アフリカ、ザイール、イギリス、アメリカ、スエーデン、アルメニア、イタリア、スペイン、ギリシャ、トリニダードトバゴ、メキシコ、フィリピン、タイ、香港、、、、、

続いて、おひとりおひとりのクリスマスの思い出を語っていただきました。突然お願いしたことなのに、心にじーんと染み入る話がたくさん出てきました。20人には20通りのクリスマスがあるのです。私ひとりの心に留めておくにはもったいないほどに、、、、

「小さい頃の家の庭にモミの木がありました。クリスマスが近づくと、父が掘って、樽に入れてリビングに運びました。飾りをつけるのは私たちの仕事でした。モミの木は年々大きくなって、私たちも年々成長して、父は年々年をとっていきました。そしてだんだんとモミの木を掘り起こすのが大変になりました。私たちはクリスマスを祝いながらも、いったいいつまでこんな幸せを続けられるのかしら、と思うようになりました。」

「ドイツに住んでいましたが、クリスマスの1か月前ぐらいから町の広場に小さなメリーゴーラウンドが作られ、お店がたくさん並びました。夜にはすごい人出になりました。大人たちはみな、『グリューヴァイン』と呼ばれるスパイシーなホットワインのカップを手に、店から店へと歩き回りました。寒さを吹き飛ばすぐらいに楽しい時間でした。」

「いつまでもサンタさんを信じる子供たちのために、24日の夕食の後には、決まって主人がサンタクロースになりました。娘たちがお風呂に入っている間に、ガレージにかくしておいたサンタの衣装に急いで着替え、彼女たちが眠りに就いた頃に、鈴の音と一緒に外から入って娘たちの部屋にプレゼントを置きに行きます。娘が5年生の時、サンタさんのためにとビールを用意していてくれました。主人は飲めませんので、私が代わりに飲んで、『Thank you.』と書いた紙を枕元に置いてきました。その時の紙は、今もなお25歳になった娘の宝物です。」

「お誕生日とクリスマスだけにプレゼントがもらえました。サンタさんに届けてもらいたいプレゼントは内緒にしていたかったのに、『何がほしいのかを空に向かって言わないと伝わらないんだよ。』と言われて、毎年、空を見上げて『○○がほしいです!』と叫びました。」

「アメリカに5年半住んでいました。一番最初はロサンゼルスでした。クリスマスが近づくと、空き地で大きなモミの木が売り出されます。気にいった木をピックアップトラックに載せて家に運び、暖炉の脇に置くのです。最初の年は飾る物がなくて赤いリボンだけでした。それでも、暖炉に暖められて、素敵なモミの木の香りが部屋中に漂うのです。クリスマスが終われば、モミの木は暖炉にくべられたり、チップを渡してゴミとして持って行ってもらいます。帰国後何十年もたちましたが、今でもクリスマスは両親、家族、みんなが集まる特別な時です。」

「兄の死を知ったのは、クリスマスの食事の直前でした。私たちは作ったご馳走をすべて車に乗せて長野へと走りました。そしてその3年後の同じ日に、兄の孫が誕生しました。」

「仕事が休みになるやいなやいつも旅行に出かけましたので、クリスマスはたいてい飛行機の中でした。タヒチに居た時にこんなことを言われました。『サンタクロースは海からボートに乗ってやってくるんだよ。』」

これは皆様からお聞きしたクリスマスの思い出の半分にもなりません。宗教を飛び越えて、クリスマスというのはやはり思い出がたくさんつまった特別な時。あれこれと思い出してはセンチメンタルにもなる時です。

グローバルキッチンはまだ続きます。語りつくせなかったこと、新たにお聞きするであろうこと、そして私自身のクリスマスの思い出についてもまた書かせていただければと思います。

By 池澤ショーエンバウム直美


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12月18日(火):まだまだ焼きます、クラビエデス
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:57| Comment(2) | グローバルキッチン

2012年12月17日

Short Short Spain 13

夏炉冬扇?
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:51| Comment(0) | スペインライフ

大人の遊び 学びの恵み 集いの喜び

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2012年もあと半月になってしまいました。今年はいつも以上に、心配事や辛いことが多かったような気がします。それでも、いいこと、嬉しいことも、その分たくさんありました。そのひとつがこれでしょうか。

私たち、と言っても私はほんの新参者ですが、日本国際観光学会のメンバー有志が「旅と食文化研究会」を立ち上げたのは今年の2月12日でした。キックオフ記念として皆様に地中海ダイエットのお話をさせていただきながら手づくりのギリシャ料理をお作りするはずが、思いもかけぬ怪我で買い出しも料理もできぬ口だけの身となりながらも、友人の助けで何とか乗り切って、無事に船出ができました。その時は6人でしたのに、、、、、

その後、4月には「ワインのい・ろ・は」に集い、7月には「ギリシャ視察後の最新事情報告」に集い、私は参加できなかったものの、8月には皆さんで浅草の町歩きと観劇を楽しまれ、10月には「蕎麦談義」と「クレタの食文化」、、、、、こうして、その都度、旅と食文化をテーマに共に学び、遊んできました。それはまさに大人の遊びと言う言葉がぴったりの楽しい時間でした。誰もが陽気になり、誰もが饒舌になり、誰もが屈託なくよく笑いました。今年最後の会の名は「旅と食文化研究会お寿司忘年会」と決まり、会場は、皆様がお集まりやすく、くつろいでいただけることから、またしても我が家になりました。

「ナオミさん、スクリーンを作ろうと思うのだけれど、窓の寸法と床からの高さを測って教えてくれる? ついでに窓の写真も撮って添付して。」

スペインから帰った翌朝のそんな電話からまだ何日もたたないのに、昨日の朝、メンバーのひとりが手作りスクリーンを持ってやってきました。そして、器用に窓に取り付けました。次に、配布資料が組まれ、椅子が並べられました。

今回のテーマは「江戸の食文化ビジネス」です。「食文化ともてなし」がご専門のミエコ教授が、次々と手製スクリーンに貴重な映像を映されて、興味深いお話と共に11人の聴衆の身を乗り出させます。

皆様、大学や観光業界、政府筋の一角の方々ですのに、「なるほど〜」「う〜ん」「ほおっ〜」とうなづいたり笑ったりしながらの聞き上手。大人の話し上手と大人の聞き上手が組み合わされれば、いやが上にも場は盛り上がります。

その間に、いつもの寿司屋の若大将が魔法のようにテーブルを寿司カウンターに変えて、氷を敷いてネタを載せていきます。ふと気づけば、若大将も夢中になってミエコ先生の話を聞いているではないですか。
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聞いて、学んで、考えて、
食べて、飲んで、おしゃべりをして、
笑いころげたり、真剣な顔で討論をしたりしているうちに
日が暮れ始めて、それでもまだ続きます。
ミエコ先生の第二弾もあれば、「ギリシャQ&A大会」の余興もあります。
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第一団がお帰りになって、
第二団がお帰りになって、
最後に残った6名が、すっかりリラックスして、また尽きぬ話を続けます。
会の大御所が言いました。

「いいねえ、ビジネスもお金もからまない大人の遊びって。まるでヨーロッパのサロンだねえ(笑)。あまり広げ過ぎずに育てていこうよ。」

そしてまた、今度はサロン文化についての話に花が咲きます。
次回は桜が咲いた頃、大御所教授の大学院での教え子を特別講師に、日本酒を学び、銘酒を味わう「利き酒の会」に決まりました。

電話で夫に報告したら「僕も出るからね。」
大人の遊び、学びの恵み、集いの喜びは続きます。
まめなメンバーが会報も作ってくれました。
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By池澤ショーエンバウム直美


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12月16日(日):仲良し二人がケーキになって
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 11:29| Comment(0) | その他メッセージ

2012年12月16日

Short Short Spain 12

冬なのに
こんなにしてまで外が好き (Madrid)
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By 池澤ショーエンバウム直美
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2012年12月15日

生まれてきてくれてありがとう〜娘のお誕生日に

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朝一番に届いたメールは、今日お誕生日を迎えた娘から。
こちらから先に「Happy Birthday!」を送るつもりだったのに。

メールにはセピア色の写真が一枚添えられていました。
若い母が、生まれたばかりのベビーを抱く写真です。
ベビーの頭にはまるで天使のような光。
病院から家に戻ってきた時でしょうか。
撮られた母も、撮った父も、一点の曇りもない幸せの瞬間でした。
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娘のメールには、ただ一言、こんな言葉が書かれていました。

「だいぶ大きくなりました。」

すぐに返しました。

「その分、ママは萎んで小さくなりました。お誕生日おめでとう!!
素敵に幸せな新しい風が優しく吹き始めるよ。
ママの子でありがとう。生まれてきてくれてありがとう。」

そして、また、あの動画のような絵をなぞり始めました。それは、これまで何度も何度もなぞられた絵でした。眠りに就く前には必ずその絵を思い浮かべました。随分長い年月、その習慣は変わりませんでしたが、良くも悪くも様々なことが起きるうちに、いつしか記憶の引き出しの中にそっとしまわれました。

私は「マイエフテリオン・アシノン」というアテネの病院にいて
教えられた通りに、痛みを和らげるための呼吸をし
言われた通りに力を入れて、言われた通りに力をぬいて
ふーっと気が遠くなって
朦朧とした頭で目覚めたら
誰かが私の頬をポンポンと叩いて言いました。
「コリツァーキ、コリツァーキ! (女の子、女の子!)
男の人の声だったような気がします。
私はベッドの上で、フワフワと幸せの中に漂よい始めました。

今日私は引き出しを開けて、久方ぶりにあの絵を取り出しました。そして、再びフワフワと幸せの中に漂いました。

16時半、娘のお誕生日を祝うために都心へ向けて走り始めた車の中で、ラジオから流れてきたのは「ひまわり」という曲でした。なぞっていた絵にその言葉が重なって、運転をしながらちょっとだけひとりで泣きました。

  あなたと会えた日は私の記念日
  あなたは私の奇跡、私の希望

  あなたと共に笑い、あなたと共に泣いたり
  どこかで私を感じて
  それだけでいいのよ

  お願い、どこかで笑ってて
  それだけでいい

生まれてきてくれてありがとう。
お誕生日おめでとう!

By 池澤ショーエンバウム直美

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12月14日(土):バレンシアでアメリカン?
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:58| Comment(0) | 家族

Short Short Spain 11

コスタ・ブラバの輝く海
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By 池澤ショーエンバウム直美
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2012年12月14日

戦争と平和〜カルロス5世宮殿のオリーブ

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グラナダのアルハンブラ宮殿にはいくつかの建物があります。その中で、イスラム様式とは全く異なるのが「カルロス5世宮殿」です。なぜなら、これは、レコンキスタと呼ばれるキリスト教によるイベリア半島の再征服後、アルハンブラのイスラム建築の中では珍しくキリスト教建築として建てられた宮殿だからです。

建てたのはカルロス5世。様式はルネッサンス様式。
けれども、皇帝は完成を待たずに逝去しました。

細密画のようなイスラム様式を見慣れた目には、この宮殿はひどく殺風景に見えます。色彩の点でもとても地味です。けれども、外に面した入り口両側の装飾は見事です。目立たぬながらもよく見れば、右側はオリーブの枝を持った女性が二人、左側は闘う男たちです。
さらに眺めれば、それがおそらく戦争と平和を対峙させたものであろうことに気づきます。

さかのぼれば、旧約聖書の創世記「洪水」に行き着きます。
人間たちを戒めるために、40日40夜、神が降らせた雨が洪水を起こしました。
神が許したのはノアとその家族と、動物たちでした。

「主はノアに言われた。『さあ、あなたとあなたの家族は皆、箱舟に入りなさい。この世代の中であなただけはわたしに従う人だと、わたしは認めている。』」

水が地上からひいて、箱舟の窓から放たれた鳩は、止まる所が見つからずにノアのもとに戻ってきました。
7日後、再び鳩を放すと、鳩は夕方になってノアのもとに帰ってきました。その時、くちばしにくわえていたのがオリーブの枝だったのです。ノアは地上から水がひいたことを知りました。

それから長い長い時を経て今、国連旗は、オリーブの枝葉が地球を丸く囲んでいます。
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古代ギリシャの時代にも、都市国家の使者は平和の知らせを伝える時にはオリーブの枝を献上していました。

私が住む町の駅ビルには「オリーブの庭」と呼ばれる心地よい場所があります。晴れた日には富士山が見えます。買い物ついでにこの庭を訪ねてみたら、オリーブの木々がまるでモミの木のようにクリスマスの飾り付けをされていました。夜にはさぞ美しく輝くことでしょう。
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By 池澤ショーエンバウム直美


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12月14日(金):バレンシアでアメリカン?


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2012年12月13日

Short Short Spain 10

グラナダのカテドラルでは製作中
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アルハンブラのホテルでは製作完了
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イエス・キリスト生誕の日の模型、クリブ(Crib)です。

By 池澤ショーエンバウム直美
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4つの旗に希望を託して〜アルハンブラのアルカサバ

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グラナダの町を見下ろすアルハンブラ宮殿にはいくつかの建物がありますが、中で一番古いのが9世紀に築かれた「Alcazaba(アルカサバ)」です。一番地味な、と言うこともできるでしょう。かつては2千人を越す人たちが暮らしていたというアルハンブラの中で、アルカサバはイスラム芸術の華をきわめた宮殿とちがい、当時の敵であるキリスト教徒たちの攻撃から住民たちを守る難攻不落な要塞でした。そして、そこは兵士たちの住処でもありました。城塞の中には浴場の跡も見られます。

塔の上からは山並みとグラナダの町が一望でき、それが美しいだけにまた、その場所がいかに要塞として最適の地であったかがわかります。その頃、彼らはこの塔の上にいったいどんな旗を掲げていたのでしょうか。

幾世期もたった今、風に揺れるのは、横一文字に並ぶ4つの旗です。
EUと、スペインと、アンダルシア州と、グラナダ。
その旗の揺れに私たちは希望を託してよいのでしょうか。

東京に戻ってきたら、小さな庭が落ち葉で埋め尽くされていました。
暖房を入れた室内から、美しい季節を慈しんでいます。
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By 池澤ショーエンバウム直美

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12月11日(月):イスラム文化によく似合う柘榴という魅惑的な果実

posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 00:03| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月11日

Short Short Spain 9

アルハンブラの猫たち
*なんかおいしそうなものが、、、あっ、落ちちゃった!
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*ど、ど、どうしたの?040 - コピー.JPG *今助けにいくわよ。039 - コピー.JPG

By 池澤ショーエンバウム直美
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