2013年02月13日

グラナダのパラドール(国営ホテル)

スペインには「パラドール」と呼ばれる国営ホテルが全国にあります。手元のリストを数えてみたら、AのAiguablavaからZのZamoraまで94か所も記載されていました。だいたいは古城や修道院、由緒ある貴族の館などの歴史的な古い建物ををホテルに改装したものです。

国営と言う響きからしてなんとなく質素な感じがしますが、スペインの場合はその格式からでしょうか、民間のホテルよりも高いぐらいの料金です。94のパラドールは均一料金ではありません。一番安いメリリャで1泊125ユーロ(1万6千円)、一番高いグラナダはシーズンを問わず一泊330ユーロ(4万2千円)です。スペインの物価からすれば随分と高いように思えます。

とは言えグラナダのパラドールはアルハンブラ宮殿の敷地内という特別な場所にある上に、たった40部屋しかないものですから、「数か月前には予約を」と言われるぐらいの人気です。私たちも半年前の6月に現地に電話をして予約をしました。このパラドールは、15世紀に建てられた修道院を改装したものです。パティオや礼拝堂には宿泊客しか入れません。

私たちは結局ここに数日間滞在しましたが、結論から言えば、「First but the last」(最初で最後)と言ったところでしょうか。確かにそのたたずまい、それをとりまく重厚な空気にはそれなりのものがあり、一度は宿泊する価値がありますが、いかんせん不便です。町まで下りればまた帰りには上らねばなりません。しかも夕飯を済ませての帰り道はほろ酔い加減の満腹状態です。アルハンブラの門から延々と続く坂道は、いくら美しいとはいえ息切れがします。次に来る時はこっちにしようと、すでに町の真ん中のホテルの下見もしてきました(笑)。

忘れないうちに、94のパラドールのうち一番人気と言われるグラナダのパラドールをご案内させていただきます。

高速を下りてアルハンブラへと上っていきます。正面に見えるのは雪をかぶったシエラネバダです。
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アルハンブラの入り口にはバーがあって、タクシー、宿泊客、宿泊客のゲストしか通れません。
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ここで名前を言ってバーを開けてもらいます。
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林の中の道を進みます。
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ホテルのエントランスに着きます。
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車を専用駐車場に止めて門をくぐれば美しい中庭が続きます。
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レセプションデスクから部屋までは、いくつもの扉を開けて、まるで迷路のようです。
パティオを囲む回廊にそって部屋が並びます。
2階と3階に40室。エレベーターはありません。
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室内は決して広くもなく、決して豪華でもありませんが、ある種の落ち着きがあります。
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窓の外にはアルハンブラの風景が広がります。
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町に出るには壮大な門を出入りします。
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途中の坂道には「アルハンブラ物語」を書いたアメリカの作家、ワシントン・アーヴィングの像もあります。
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アルハンブラから町へと、町からアルハンブラへのこんな抜け道もあります。
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ホテルの共用リビングにはここに泊まった数々の有名人の写真が貼られていました。
たとえばこれはモーガン・フリーマン。
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こちらはウンベルト・エーコ
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オマー・シャリフもいました。
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何はともあれ良い経験でした。

By 池澤ショーエンバウム直美

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2月11日(月): パンプキンスープを使った簡単ムニエル
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2013年02月08日

Short Short Spain 29

バルセロナ ゴシック地区
古いカテドラルで
祈り続ける人
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By 池澤ショーエンバウム直美
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2013年02月05日

Short Short Spain 28

バルセロナのケーキ屋さんで出会ったハリネズミ君
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By 池澤ショーエンバウム直美
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2013年02月02日

Short Short Spain 27

マドリッドの住宅街
バルコニーに寿司提灯!
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By 池澤ショーエンバウム直美
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2013年02月01日

Short Short Spain 26

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2012年 グラナダ
アラビア語の本が並ぶ
アルハンブラの麓の本屋さん

(1238年、グラナダ王国がイベリア半島における最後の、そしてたったひとつのイスラム文化の都として大輪の華を咲かせ、13世紀の初代王から14世紀の7代目の王まで、歴代の王たちによってアルハンブラ宮殿という目も眩むような美しい世界が構築されました。)

By 池澤ショーエンバウム直美
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2013年01月26日

Short short Spain 24

アルハンブラ宮殿の
画家とモデル
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By 池澤ショーエンバウム直美
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2013年01月23日

Short Short Spain 23

教会の正面玄関
ほどこしを待つ黒衣の女たち

そのすぐそば
われ関せずと歩く白衣のアヒルたち (バルセロナ)
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By 池澤ショーエンバウム直美
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2013年01月17日

Short Short Short Spain 21

モンセラット
標高725メートルで出会ったFUJI FILM
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2013年01月16日

Short Short Spain 20

これもまた
ひとめぼれした
ペンダント
ひとつひとつに
友を思いて
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By 池澤ショーエンバウム直美
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2013年01月13日

Short Short Spain 19

プラド美術館に続く道
出逢ったマグパイ(magpie)
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By 池澤ショーエンバウム直美
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二つの言葉 二つの文化

まず最初に、
これはスペインの国旗です。
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そしてこちらはカタルーニャ州の州旗です。
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時は昨年11月も末、所はスペイン、バレンシア。
私たちが満員の客席の中で待っていたのは、シルヴィア・ペレス・クルスという若い女性歌手のコンサートの開幕でした。その時、流れてきた館内放送の響きを今でもよく覚えています。それは意味がわからないだけに、優しい波に乗っているような、ふわふわした心地よさで包んでくれるものでした。

そこでこんな経験をしました。

セニョラス セニョレス

という「Ladies & Gentlemen」に当たる呼びかけに続くメッセージが終わって、一息入れたかと思うや、、、、

セニョレス セニョース

同じようでいてどこかが違います。その後に続く諸々の注意事項らしきものも、最初に聞いたものとはどことなく違う気がします。

これがカタルーニャ語というものでした。国としての公用語は「標準スペイン語」と呼ばれるものですが、スペインには、カタルーニャ語、ガリシア語、バスク語という公用語があります。カタルーニャ州の南に隣接するバレンシア州でも、二つの言葉が併用されているのでしょう。

スペイン第二の都市バルセロナを都とするカタルーニャ州は、独自の文化や歴史、言語を背景に発展してきました。それゆえに愛国心ならぬ愛州心というものも中途半端ではないようで、いくたびかスペインからの分離、独立の動きが持ち上がってきたことも知りました。町を歩けばそこここで、スペインの国旗ではなく、カタルーニャの州旗を掲げているバルコニーを見ます。
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折しも、州議会選挙が行われた11月25日に私たちはバルセロナにいたのですが、駅の構内には「独立」を目ざしての大きなポスターがたくさん貼られていました。口や目に絆創膏が貼られているのは、反対派による悪戯でしょうか。
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選挙の結果は独立派の勝利となりましたが、住民投票の実施については微妙なところのようです。

さてさて、先日、「Fifty Shades of Grey」というメガヒット小説のスペイン語版のことを書きましたが、写真を見ていたら、今まで見過ごしていたあることに気づきました。

まずこちらは、マドリッドの本屋さんです。
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次にこちらは、バルセロナの本屋さんです。
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表紙の体裁は同じ、書かれているアルファベットもよく似ていますが、どこか違うと思いません?

マドリッドの本屋さんに並んでいたのはスペイン語訳で
バルセロナの本屋さんに並んだいたのはカタルーニャ語訳でした。
同じスペイン、新幹線なら2時間45分で着いてしまう距離です。

By 池澤ショーエンバウム直美


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1月12日(土):ムサカの相方は全部適当なトルコサラダ
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 12:55| Comment(2) | スペインライフ

2013年01月12日

Short Short Spain 18

ローマ時代の壁を相手にひとりで一杯
何ていう贅沢!
(バルセロナ)
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:08| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月30日

Short Short Spain 17

カタルーニャ州タラゴナ
古代ローマ時代の壁画
今にも飛び出しそう、現代に。
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 22:50| Comment(2) | スペインライフ

2012年12月27日

Short Short Spain 16

ガウディが半生を費やしたサグラダ・ファミリア聖堂
2026年完成を目指して現在もなお継続中
中に入るためには根気が必要
上を眺めるだけなら根気は不要   (バルセロナにて)
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2012年12月25日

Short Short Spain 15

バルセロナのクリスマスマーケット
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 21:39| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月20日

Short Short Spain 14

美しき 路上の セロ弾き
(バルセロナ)
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 11:57| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月19日

旅は道連れ 運転は共同作業〜マドリッドへの道

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あの日、グラナダを発ったのは朝の8時45分、珍しく夜の間に雨が降ったようです。石畳を覆う落ち葉がしっとりと濡れて、山から下界へと下りた霧は、まるでこの美しい地に私たちを閉じ込め、引き留めようとするかのように行方を閉ざします。それでも私たちはマドリッドへと走り続けなければなりません。

途中降り出した雨が止み、次第に霧が晴れて、どこまでも続くオリーブの畑が現れました。さすがにオリーブの生産量第一位を誇るスペインです。
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ちなみに、オリーブの生産国の98%は地中海諸国、そして、その3分の2がヨーロッパです。FAO(国連食糧農業機関)の統計によれば、2010年のオリーブの総生産量2057トンのうち、スペインは801万トン、つまり約4割を占めています。

祭日の合間だからでしょうか、高速道路には後にも先にも車の影もありません。
給油ついでに最初の休憩を取る頃に、またワイパーが必要なぐらいの雨になりました。

マドリッドまであと307キロ、雨脚が強まり始めました。
230キロ、雨が上がりました。
遠くに低い山をいだく平野が連なります。
荒野と言った方が適切かもしれません。

読み始めたばかりの「アルハンブラ物語」(ワシントン・アービング、江間章子訳)の最初の章にはこんなくだりが見られます。

「多くの人びとは、スペインというと、官能的なイタリアの華麗な魅力を想い浮べて、その地つづきのあたたかい南国を想像しがちだろう。地中海に沿った一部には、そうした土地もあるが、広大なスペインの国土の大部分はさびれた憂鬱そのもので、荒涼とした山岳地帯と、一本の木とても生えていない茫漠とした平原にわかれている。野蛮で、アフリカを想わせる底知れぬさびしさと静寂。そうしたものがいちめんに漂っているのが、実はスペインの土地なのである。」

あと220キロ、外の気温は8度を示しています。
小雨に変わった中で目に映り始めたのは、ひたすら続く赤い地面でした。
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あと150キロ、短く刈られた葡萄畑が豊穣の後の寂寞を見せます。
降ったり止んだりの雨の中、私たちは走り続けます。灰色の雲が厚く空を覆います。

100、50、30、、、、、
マドリッドが次第に近づきます。
車が増え、見えるのは、オリーブ畑や、荒野や、赤土の平野や、刈り取られた葡萄畑ではなく、空に向かって高く伸びたビルです。
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到着した空港のホテルは、青い光の中にありました。
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車のメーターを見れば、グラナダからマドリッドまではおよそ430キロ。
くしくも、バレンシアからグラナダへの道とほとんど同じ距離です。

スペインでの国内移動でお勧めしたいのは、まずはAVEやAVANTなどの高速で走る新幹線ですが、全ての移動がこれでできるわけではありません。その場合にはやはりレンタカーに頼ることになります。車の旅には魅力もたくさんあります。時間に制約をされることもありませんから、自由気ままに寄り道をすることができます。ガイドブックに載っていないような小さな村を訪ねることだってできます。

けれども、注意しなくてはならないことが2つあります。1つは、オートマ車を見つけにくいことですし、もう1つは、一人での運転には無理があるということです。スペインに限ったことではありませんが、旅先での運転には、標識を読んだり、地図を見たりする相棒が必要です。加えてそれがロングドライブならばなおのこと、話し相手が必要となります。

旅は道連れ、運転は共同作業。
これはまた、一緒に達成感を味わい、同じ思い出を共有する喜びをプレゼントしてくれたりもします。

By 池澤ショーエンバウム直美

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12月19日(火):クリスマスのテーブル
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:57| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月17日

Short Short Spain 13

夏炉冬扇?
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:51| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月16日

Short Short Spain 12

冬なのに
こんなにしてまで外が好き (Madrid)
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 11:52| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月15日

Short Short Spain 11

コスタ・ブラバの輝く海
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2012年12月14日

戦争と平和〜カルロス5世宮殿のオリーブ

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グラナダのアルハンブラ宮殿にはいくつかの建物があります。その中で、イスラム様式とは全く異なるのが「カルロス5世宮殿」です。なぜなら、これは、レコンキスタと呼ばれるキリスト教によるイベリア半島の再征服後、アルハンブラのイスラム建築の中では珍しくキリスト教建築として建てられた宮殿だからです。

建てたのはカルロス5世。様式はルネッサンス様式。
けれども、皇帝は完成を待たずに逝去しました。

細密画のようなイスラム様式を見慣れた目には、この宮殿はひどく殺風景に見えます。色彩の点でもとても地味です。けれども、外に面した入り口両側の装飾は見事です。目立たぬながらもよく見れば、右側はオリーブの枝を持った女性が二人、左側は闘う男たちです。
さらに眺めれば、それがおそらく戦争と平和を対峙させたものであろうことに気づきます。

さかのぼれば、旧約聖書の創世記「洪水」に行き着きます。
人間たちを戒めるために、40日40夜、神が降らせた雨が洪水を起こしました。
神が許したのはノアとその家族と、動物たちでした。

「主はノアに言われた。『さあ、あなたとあなたの家族は皆、箱舟に入りなさい。この世代の中であなただけはわたしに従う人だと、わたしは認めている。』」

水が地上からひいて、箱舟の窓から放たれた鳩は、止まる所が見つからずにノアのもとに戻ってきました。
7日後、再び鳩を放すと、鳩は夕方になってノアのもとに帰ってきました。その時、くちばしにくわえていたのがオリーブの枝だったのです。ノアは地上から水がひいたことを知りました。

それから長い長い時を経て今、国連旗は、オリーブの枝葉が地球を丸く囲んでいます。
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古代ギリシャの時代にも、都市国家の使者は平和の知らせを伝える時にはオリーブの枝を献上していました。

私が住む町の駅ビルには「オリーブの庭」と呼ばれる心地よい場所があります。晴れた日には富士山が見えます。買い物ついでにこの庭を訪ねてみたら、オリーブの木々がまるでモミの木のようにクリスマスの飾り付けをされていました。夜にはさぞ美しく輝くことでしょう。
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By 池澤ショーエンバウム直美


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12月14日(金):バレンシアでアメリカン?


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2012年12月13日

Short Short Spain 10

グラナダのカテドラルでは製作中
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アルハンブラのホテルでは製作完了
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イエス・キリスト生誕の日の模型、クリブ(Crib)です。

By 池澤ショーエンバウム直美
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4つの旗に希望を託して〜アルハンブラのアルカサバ

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グラナダの町を見下ろすアルハンブラ宮殿にはいくつかの建物がありますが、中で一番古いのが9世紀に築かれた「Alcazaba(アルカサバ)」です。一番地味な、と言うこともできるでしょう。かつては2千人を越す人たちが暮らしていたというアルハンブラの中で、アルカサバはイスラム芸術の華をきわめた宮殿とちがい、当時の敵であるキリスト教徒たちの攻撃から住民たちを守る難攻不落な要塞でした。そして、そこは兵士たちの住処でもありました。城塞の中には浴場の跡も見られます。

塔の上からは山並みとグラナダの町が一望でき、それが美しいだけにまた、その場所がいかに要塞として最適の地であったかがわかります。その頃、彼らはこの塔の上にいったいどんな旗を掲げていたのでしょうか。

幾世期もたった今、風に揺れるのは、横一文字に並ぶ4つの旗です。
EUと、スペインと、アンダルシア州と、グラナダ。
その旗の揺れに私たちは希望を託してよいのでしょうか。

東京に戻ってきたら、小さな庭が落ち葉で埋め尽くされていました。
暖房を入れた室内から、美しい季節を慈しんでいます。
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By 池澤ショーエンバウム直美

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12月11日(月):イスラム文化によく似合う柘榴という魅惑的な果実

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2012年12月11日

Short Short Spain 9

アルハンブラの猫たち
*なんかおいしそうなものが、、、あっ、落ちちゃった!
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*ど、ど、どうしたの?040 - コピー.JPG *今助けにいくわよ。039 - コピー.JPG

By 池澤ショーエンバウム直美
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水音と共に在る場所 アルハンブラ

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水の都といってすぐに思い浮かべるのはベニスでしょうか。けれども、私がこの先まず思いめぐらすのはアルハンブラかもしれません。

アルハンブラはベニスのように海上に浮かぶ都でもなく、むしろそれとは全く逆で、標高685メートルのグラナダの町を見下ろす高い丘の上に立っています。町から長い坂を上っていくと次第に空気が冷たくなっていくのがわかります。イスラム芸術の最高傑作とも、イスラム文明の輝かしいモニュメントとも、また幻惑の千夜一夜の世界とも言われるこの特別な場所は、アテネの町のアクロポリスのように、およそ町のどこにいても仰ぎ見ることができます。

そこではいつも水音が聞こえます。
どこを歩いていても、どこからか水音が聞こえるのです。

山から流れ込む大量の水が滝となって下り落ちる音であり、それらが丘の下へと流れる音であり、パティオの真ん中の池の音であり、宮殿のいくつもの部屋の中に作られた噴水の音であり、ライオンの口から流れる水の音です。

たとえホテルの部屋の中にいても、中庭からの水音が聞こえるような気がします。いつの間にかそれらの音は私たちの感覚の一部となり、水が流れていることすら忘れるぐらいに、それを受け容れ、静かに心地よく共に在ることに気づきます。

1238年、グラナダ王国がイベリア半島における最後の、そしてたったひとつのイスラム文化の都として大輪の華を咲かせ、13世紀の初代王から14世紀の7代目の王まで、歴代の王たちによってアルハンブラ宮殿という目も眩むような美しい世界が構築されました。

そこにいつも水が流れていたのは、乾いた国から来た民たちによって作られたからでしょうか。彼らにとって、水に触れ、水を感じ、水を聞くという暮らしこそが最高の贅沢であったからでしょうか。

これから私は何度も何度もこの地に思いを馳せることでしょう。
そしてそのたびに無意識のうちに水音を聞くことでしょう。

By 池澤ショーエンバウム直美


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12月10日(月):絶品びしょびしょパエリャ@グラナダのクニニ


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2012年12月09日

Short Short Spain 8

MUSEO NACIONAL DE CERAMICA
バレンシアの国立陶器博物館
上りは
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下りは
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同じ階段です。065.JPG

By 池澤ショーエンバウム直美
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2012年12月08日

グラナダへの道 その2

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あと200キロ。ツンツンと空に向かって細くまっすぐに伸びたものや、大きなおしゃもじに棘が生えたようなサボテンが斜面に見られるようになりました。

「ここはスペインで一番乾燥した一帯だよ。」

12時、アンダルシアに入りました。
12時半、グラナダまであと134キロです。
前方遠くに雪をかぶった白い山々が見え始めました。帯のように連なるシエラ・ネバダです。

「シエラは山脈、ネバダは雪。その名の通りだね。」

「グラナダ 134km」のすぐ後には、「コルドバ 302km、 セビリア 373km」が続きます。高速道路にはこうした標識が小まめに現れては、道行く者たちを助けます。私たちは134kmに力を得て、グラナダへの道、A-92Nをひた走ります。

グラナダはシエラ・ネバダ山脈の麓、標高685メートルに位置する町です。人口はマドリッドの13分の1以下。そして、あまりにも有名なアルハンブラ宮殿が象徴するように、キリスト教とイスラム教というふたつの宗教と文化が交錯し、しのぎ合い、きらびやかにして、もの哀しい歴史の光と影を織りなしてきた特別な町です。

高速を下りて、町を走り、トンネルを抜け、くねった坂道を上ればそこはアルハンブラ。その敷地に15世紀の修道院を改装したホテルがあります。40の部屋が、噴水の水音を従えたパティオ(中庭)を囲みます。

重い扉を開けると、机の上に置かれた小さなカードに書かれていたのは、Washington Irving(ワシントン・アービング)の小説、「Tales of the Alhambra(アルハンブラ物語)」の中の言葉でした。

「I have sat for hours at my window, inhaling the sweetness of the garden and musing on the chequered fortunes of those whose history is dimly shadowed out in the elegant memorials around.」

 私は何時間も窓辺にすわり、庭からの甘い香りを吸い込みながら、とりまく優美な追憶の中で歴史がおぼろげにほのめかす色とりどりの運命に思いを巡らしていた。(池澤私訳)

私たちのグラナダの日々が始まりました。

P.S. バレンシアのホテルからグラナダのホテルまでは、途中3箇所で休憩を入れて約8時間、走行距離にして435kmでした。

By 池澤ショーエンバウム直美


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12月8日(土):ドライブインでの懐かしい出会い
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 12:29| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月07日

グラナダへの道 その1

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毎日たくさんの新しいものに触れ、出会い、感じ、整理をする間もない入超状態が続いています。話は行きつ戻りつしますけれど、これもまた書き留めておきたい「グラナダへの道」です。

マドリッドからバルセロナへも、バルセロナからバレンシアへも、新幹線のような列車で予定通りに快適な移動ができました。ところがグラナダへの移動でつまずきました。バレンシアからグラナダへの直行便は、夜12時に出て翌朝の8時半に着く寝台車しかなかったのです。

それもまた一興と思いましたが、夫が二の足を踏みました。若い時ならまだしも、いくら一等を取ったところで夜行の旅はきついだろう、それに翌朝着いてもすぐにホテルにチェックインできるわけではない、、、、そう言われればたしかにそうです。

となれば、選択肢はただひとつ。車を借りて自ら走ることです。夜行列車で8時間半もかかる所に車で?と不安に思いながらも、地元の人に聞いてみれば、「5時間もあれば大丈夫。」とのこと。それならば途中の町や村で休憩をしながら行くのも面白そうです。

ところが、ここでまた想定外のことが起こりました。オートマ車がないのです。いえ、より正確に言えば、バレンシアのAVISにその時あったオートマ車は、たった一台のミニバンだけだったのです。国際免許証、ドライビングシューズ、運転用サングラスという私の三種の神器は役立たずとなりました。恥ずかしながら、マニュアル車は習った覚えはあるものの運転できません。夫はと言えば、動じもせずに、「No problem! 君に運転をさせてあげられなくてごめんね。きっと快適なドライブだろうに」、、、、、

かくして8時10分、夫がハンドルを握る、私たちの「グラナダへの道」が始まりました。

車の旅はどこの国のどこの町でもそうですが、とにかく町を抜け出すまでが一苦労です。日本のようにちゃんとした標識がありませんから、一度や二度は必ず迷い込みます。けれども、いったん高速に乗ってしまえばあとは比較的楽です。とりわけ今回の「グラナダへの道」はそうでした。途中から目につくようになる「GRANADA」という文字を確認しながら、ひたすら走ればいいのですから。幹線はほとんどが3車線、制限速度は時速100〜120キロです。

バレンシアを抜けて、左側に海を見ながら走るアリカンテへの高速道路は、太陽がチリチリと左ほほにあたります。右側の空には、もうすぐ半月になろうとする白い月が斜めにかかります。

かと思えば、いつの間にか山間の日陰の道になって、オリーブしか生えていないごつごつとした岩肌を見せる山々が遠くに続き、そこからこちらに向かうオレンジ畑は今まさに豊穣の時を迎え、緑の葉が茂る中にオレンジ色を点在させています。だだっぴろい空き地は、夏にはヒマワリで覆われるのでしょうか。海から山へ、山から海へと上り下りするたびに、白いお月様も一緒についてきます。

MURCIA(ムルシア)という町にさしかかるあたりから、ようやく「GRANADA」の標識が見え始めました。最初に目にしたのは「GRANADA 305km 」でした。

ハンドルを握る夫が言いました。

「1972年にムルシアからグラナダまで走った。その時にはこのハイウェイはなかったから、途中で一泊したよ。あれから40年もたつなんて、、、そして今、こうしてグラナダへの道をこんな風に君と走っているなんて、、、人生っていうのは面白いものだね。もう一度走ってみたいとずっと思っていたのに、それをするには忙しすぎたんだ。」

「GRANADA 274km」の標識を通り越しました。西へ向かうグラナダへの道はまだまだ続きます。

私もまた、1977年の夏、コルドバからグラナダへと東に向かうバスの中にいました。まさか35年後にこんな風にグラナダへの道を走るなんて、これっぽちも思わずに。(続く)

By 池澤ショーエンバウム直美


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12月6日(木):「KAKI」と書いて牡蠣と読みます。


posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 16:00| Comment(0) | スペインライフ

Short Short Spain 7

シエラ・ネバダ山脈
アルハンブラから、そしてグラナダ大学の塔の上から
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 04:28| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月06日

いいんでしょうか?の素敵なスペイン時間

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昨夜、グラナダ大学での2日間にわたる夫の講演が終わりました。英語はスペイン語に同時通訳をされヘッドギアを通して聴衆に伝えられ、スペイン語もまた英語となって必要な者の耳に届きます。

EUと一括りに言っても大から小まで27か国、公用語だって23言語もあります。イタリアでもギリシャでもオーストリアでも、そしてここスペインでも「こんなに英語が通じないのか!」と驚き、困り、わが身の無力を感じる場に数多く接してきました。

夫の講演の初日は近年の原油流出事故での海洋汚染と環境汚染、その国際法的な解決についてのもの、そして昨日は、より身近な課題である金融危機についてのものでした。「The Age of Austerity」という金融危機についての近著が9月にイギリスで、11月にアメリカで刊行されて以来、ご時勢も手伝ってこうした場が多くなりました。

たとえ英語であっても私には難しいものですし、何ができるわけでもないのですが、夫は当然のこととして私が一緒に居るものと思い、受け入れる側もごく当然のこととして二人一緒であることを想定しています。こうした場に居合わせる度に、欧米諸国と日本の「パートナーシップ」についての考え方の相違を感じます。これはまた大きなテーマになってしまいますのでここでは触れません。

かくして「ミセス○○」となった私の役割は、大きな場ではできるだけ目立たぬように一番後ろの隅っこで小さくなっていること、食事会などの小さな場では求められたことについてきちんと話すこと、さりとて調子に乗ってしゃべりすぎないこと、黙っている時にも笑顔で、どなたかが話している時にはきちんと聞き、軽くうなづき、相手を立て、会話の中にはほどよいユーモアも忘れずに、、、、

気づいてみれば、これらはキャリアカウンセラーの勉強の中でも叩き込まれた「傾聴」にも通じるところがありますし、長年就職活動中の学生たちに教えてきたことにも似ていますし、コミュニケーションの基本とも言えないわけでもありません。満足な役割を果たせることもありますし、後悔の念にさいなまれたり、思い出しては赤面することもあります。まだまだ勉強中の身とはいえ、それでも場数を踏むたびにだいぶ慣れてきました。

それにしても、「スパニッシュホスピタリティー」、あるいは「スペイン的暮らし」「スペイン的時間」というのは何と楽しく、何と居心地がよいものでしょうか。それを「居心地がよい」と思えるのもまた、私自身が多分に地中海的素質を持っているからかもしれませんが(笑)。

たとえばこの2日間はこんな風に時間が過ぎていきました。

一日目
13時〜15時:レストランにて大学関係者3名との計5名で会食。と言っても仕事の打ち合わせはほんの少し。もっぱら楽しい話題が続きます。講演を控えた夫はビールもワインも口にしません。私もそれにならいましたけれど、皆さん、いいんでしょうか、お仕事中にこんなに陽気に飲んじゃって(笑)。それでも全く変わらずにしっかりと仕事に戻るのですから大したものです。
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17時半:ホテルに車がお迎えに来ました。運転は先ほどお飲みになっていた教授です。いいんでしょうか(笑)。

18時半〜20時半:講演

21時〜24時:大騒ぎの陽気な夕食。総勢7名、いいんでしょうか(笑)。
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二日目:
13時45分〜15時:グラナダ大学ロースクール施設見学。DEAN(学部長)と面談。ふだんは厳重に施錠されている塔のてっぺんまでみんなでぞろぞろと88段の螺旋階段を上る、という特別サービス。いいんでしょうか(笑)。素晴らしい眺めでしたけれど、足が震えました。
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15時10分〜16時25分:DEANを交え総勢7名で昼食。仕事中の皆さんの旺盛な食欲に脱帽です、いいんでしょうか(笑)。私がスペイン料理を勉強中と知って、DEANまでもが「ほらほらナオミ、これも味見して」とご自分の取った料理を自分のお皿からスプーンで私のお皿に移します。すると他の面々も「これも、これも、ほらこれも」。いいんでしょうか(笑)。
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16時26分:迫りくる開演時間を気にする私に主催者のおひとりが「全く大丈夫ですよ、遅れたって」と満面の笑顔。いいんでしょうか(笑)。

16時35分〜18時30分:講演

一夜あけて今日は「憲法の日」という祭日です。もちらん大学もお休み。加えて8日も宗教的な祭日とあって、今日からはちょっとしたロングウィークエンド気分が始まるようです。5時半には二人の教授がご家族を連れて、アルハンブラの中にある私たちのホテルに遊びにいらっしゃいます。

どなただったか、食事をしながらこんなことをおっしゃいました。

「私たちは今、大変困難な状況の中にいますけれど、だからと言って人生を楽しんでいけないということではありません。食べて飲んで語り合いましょう!」

いいんでしょうか、いえ、いいんです、たぶんそれで。
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By 池澤ショーエンバウム直美


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12月5日(水):なんて寛大なグラナダのタパス文化!
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 16:30| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月05日

Short Short Spain 6

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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 14:31| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月04日

Short Short Spain 5

着飾った女たち〜バレンシア
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 05:27| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月03日

それぞれのドミンゴ それぞれの幸せ

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日曜日(ドミンゴ)のバレンシアは、とりわけ明るいお日様の光に溢れました。コートをはおった人たちの中に、半袖姿もショートパンツ姿も入り混じります。レストランやカフェは外テーブルから埋まります。

今日からまた1週間、車を借りました。そして、光の中をバレンシアから北へ約1時間、コスタ・ブランカと呼ばれる海岸線沿いを走りました。目的地は、かつてはローマ帝国の町として発展し、今なお当時の壮大な遺跡を擁するサグントの町です。

夜の予定がありましたので早めに戻り、バレンシアのレストランでゆっくりとランチタイムを過ごせば、ひたひたと押し寄せるサグントの余韻が、心をふんわり漂わせます。そして、たまたま選んだレストランで流れるドミンゴの時間が、なんだか特別幸せに思えます。

ドミンゴのランチタイムはいつにも増した賑わいと、いつにも増した華やぎを見せています。それぞれのストーリーを背負った人たちが、いろいろな形の幸せでドミンゴの時間の中にいるようです。

大きなテーブルを囲む8人は、父親と母親と二人の子供、ひとりはまだ赤ん坊です。そして、彼らを囲むようにして、二人のグランパと二人のグランマがいます。泣き出した赤ん坊をみんなであやしたかと思えば、向き合った人たちや、隣り合った人たちが、それぞれの会話を楽しんだりもしています。

正方形のテーブルに向かい合った初老の男女は、長年連れ添った夫婦だけが持つ落ち着いた余裕の中で、静かに会話を続けます。ご婦人の首からかかる長いパールのネックレスと男性の首のネクタイは、ドミンゴだからでしょうか。

かと思えば、隅っこのL字型の席ではお年を召した男性がひとり、背中を丸めるようにしてフルコースのお食事を召し上がっています。ひとつお皿を終えると満足げにナプキンで口をぬぐい、次のお皿を待ちます。

若いカップルと母親の3人が囲むテーブルもあれば、父と娘が向かい合うテーブルもあり、女同志、男同士で興じるテーブルもあります。

ふわふわと漂う私は、大きなテーブルのグランマになったり、よりそう妻になったり、向かい合う母になったり、、、かと思えば、気心知れた友人たちの中にいたり、ひとりで静かに食事を楽しんだりもします。

ひとりだろうが、大勢だろうが、男と女であろうが、男同士、女同志であろうが、みんなそれぞれの幸せです。たとえ、長くは続かないものだって、たとえドミンゴだけだって、それらは幸せな、たいせつな時間です。

サグントの教会では、ミサを終えて出てきた男女5人がいつまでもたたずんで話を続けていました。私たちがコーヒーを飲んで戻ってみれば、まだ同じ場所に立って、楽しそうにおしゃべりをしています。

日常の生活からちょっとばかり解き放された自由な心は、いろいろな幸せの形を見つけます。

By 池澤ショーエンバウム直美

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12月2日(日):バレンシアと言えばやっぱりパエリャ
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 14:14| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月02日

Short Short Spain 4

バルセロナの港、コロンブスの塔からも近い海事博物館の外壁。
目下改装中。ごく一部の展示だけ見ることができます。
あと1年ぐらいはお休みだそうです。
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 15:42| Comment(0) | スペインライフ

豊かな市場エンボリオンから眠る遺跡エンプリエスへの2600年

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ギリシャ人が、戦いのためではなく交易のために、海を渡ってこのイベリア半島北東の沿岸に小さな町を作ったのは、紀元前6世紀中頃のことでした。すでにこの頃には北アフリカからカルタゴ人たちも移住をしていましたし、地中海という陸地に囲まれた海はいわば貿易の場であり、豊かな市場でもあったのです。

このギリシャ人のネアポリス(新しい町)は、「Emporion(エンボリオン)」と名付けられました。その名前そのものが「商業」にちなんだものです。現代ギリシャ語でも、英語表記で「Empros(エンブロス)」と言えば商人を意味します。私が長年勤務していたギリシャ商務省は、「Ypourougeio Emporiou(イプルギオ・エンボリウー)」でしたし、その事務所は「Emporiko Grafeio(エンボリコ・グラフィオ)」でした。

実際、エンボリオンは交易によって発展し、文化的にも周辺に影響を与えるまでになりましたが、紀元前218年、ハンニバル率いるカルタゴ軍がローマに侵攻し、第二次ポエニ戦争が始まったあたりから、運命を狂わせることになります。18年にもわたる戦いでカルタゴは敗北、イベリア半島はローマが支配をすることとなりました。

紀元前195年、ローマはエンボリオンの港に軍のキャンプを置き、ギリシャ人の町は次第にローマ化されていきます。しかし、近隣のジローナやバルセロナ、タラコなどのローマ人の町が繁栄していくにつれて衰えを見せ始め、3世紀半ばにはすでにして忘れらた町へと変わってしまうのです。

1908年になってようやく始められた発掘調査は今もなお継続中ですが、明らかになったのはまだほんの25%とのこと。現在、私たちがギリシャ時代の遺跡として目にすることができるのは、敵の侵入を防ぐために築かれた壁の一部、薬学の神アスクレピオスに捧げられた治療院、女神イシスと大神ゼウスに捧げられた聖域、魚の処理場、冶金作業場や住居の跡、海の中の防波堤などです。

エンボリオン〜今ではスペイン語でエンプリエスと呼ばれています〜の遺跡は、1月1日と12月25日以外はいつでも開かれています。交通の便がよくありませんので、バルセロナから地中海沿いをレンタカーで行くのが良いと思います。距離にして約100キロ、時間の目安は2時間です。

By 池澤ショーエンバウム直美

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12月1日(土):これって飛行機?のスペイン超特急列車のおもてなし


posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 04:37| Comment(0) | スペインライフ

2012年12月01日

Short Short Spain 3

賑やかな明るい大通り
向こう側の建物が映り込むLOEWEのウィンドーはバルセロナ

人けのない道で
暗闇だけを映すLOEWEのウィンドーはバレンシア
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 15:59| Comment(4) | スペインライフ

悠久の大河の流れの一滴〜エンプリエスにて

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何となく車を止めて迷い込んでしまったのは、海へと続く林の中。
足を踏みしめながら歩かないと、吹き飛ばされそうな強風が吹き渡り、
うつむきながら歩かないと、小さな砂粒が顔に当たる林の中。
それでも一歩ずつ歩いていけば、波音も風音もますます猛り狂って、
そこはまるで別世界。

12時を刻む教会の鐘さえもかき消され、
子供なんてひとりもいやしない光の中のブランコとシーソーは、
まるで真夜中の遊園地。

なんだろう、なぜだろう、この急き立てられるようなざわめきは、
と、砂浜に出てみれば、怒る海を真っ向から受け止めて、
海の中にすっくと立っていたのは、
妙に懐かしい気がする石の壁でした。

林を越えて眠る遺跡が続きます。
いえ、深い眠りから引きずり出されて砂塵を巻き起こす、
怒る遺跡かもしれません。

これが、紀元前6世紀、ギリシャの商人たちによってイベリア半島に作られた小さな植民地、「Empuries(エンプリエス)」との出逢いでした。

コスタブラバとよばれる美しい海岸線を辿る私たちの旅の一番の目的は、この忘れられた遺跡を訪ねることにありました。けれども、目立つ標識があるわけでもなく、探しあぐねていた時に、たまたま車を止めた地点から迷い込んだのが、風が抜ける林であり、荒れる海であり、それらと共存するように広がる古代ギリシャの遺跡、「エンプリエス」だったのです。

旅の途中で、私たちはよくこうした、何かに引き寄せられるような不思議な経験をすることがあります。この「エンプリエス」だって、多少なりともギリシャに所縁のある私たちへ先達がもたらしてくれた恩恵なのかもしれません。

遺跡に立ち、歩くたびに思います。
私たちは悠久の大河の流れのただの一滴。
ひたすら降り続く雨のひとしずく。
だからこその感謝と、だからこその思い。

「エンプリエス」の歴史、そしてコスタブラバの息を吞むような美しい光景についてはまたあらためて書かせていただきます。

今日、特急列車で南へと3時間、バレンシアに移りました。
冬のはずなのに気温は16度、人々は外テーブルで食事を楽しんでいます。

By 池澤ショーエンバウム直美


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11月30日(金):コスタブラバでのお日様いっぱいシンプルランチタイム
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 03:04| Comment(0) | スペインライフ

2012年11月30日

Short Short Spain 2

29日
ホテルのバルコニーから見る朝焼けと
クリスマスの光と満月の夜
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 14:59| Comment(0) | スペインライフ

モンセラットで心洗われ、モンセラットで心慌てて

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カタルーニャ一帯の中でも最も高く険しいモンセラットの山の中腹、標高725メートルの地に、実に壮大な修道院が建っています。最初に建てられたのは11世紀のことでした。

その始まりは880年、羊飼いが山の洞窟で見つけた「黒いマリア像」でした。以来、この地は巡礼者たちの聖地となり、マリア像は、今でもバシリカ(教会堂)の祭壇上部に、祈る者たちを見下ろすような形で置かれています。巡礼者でなくとも脇の通路から階段を上ってマリア像の前に立つことができます。とだえることのない行列は少しずつ動きながら、人々を黒いマリア像へと運びます。ここから眺める階下の教会堂は圧巻です。

正式に参拝するには、宇宙の象徴の玉を支えるマリア像の右手に接吻をし、もう一方の手で、永遠の命を授けてくれる幼な子イエスに我が身を捧げる身振りをしなければならないのだそうです。

モンセラットで「黒いマリア像」と並んで知られているのは、14世紀から続く少年聖歌隊です。約50名の少年たちが特別な音楽教育を授けられ、毎日2回、午後1時と7時10分に聖歌を歌います。

私たちはタイミングよく1時に教会堂の椅子に座り、白いガウンを着た少年たちが登場し、よく澄んだ高い声と一糸乱れぬハーモニーでグレゴリア聖歌を歌い、またきちんと並んで退場するまでの場に居合わせることができました。月並みな言葉で言えば、心の澱(おり)が洗い流されたようでした。
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たかだか725メートルと言えども震えるほどに寒く、夏場には開いているであろうカフェの扉も閉まり、展望台へと向かうケーブルカーも運休です。ブルブルと震えながら駐車場まで下ったところで、思いもかけないアクシデントが起きました。
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迷いながらバルセロナの町を抜けて、ひたすら高速を走り、クネクネと続く山道を登ってやっとたどり着き、さて帰ろうかという段になって、どうしても車のエンジンがかからないのです。朝、借りたばかりのレンタカーです。慣れていないとは言え、何かが明らかにおかしいのです。変な音までします。

一時は途方に暮れましたが、二人そろってオロオロしたところで仕方がありません。夫はヘルプを求めるために再び山道を上り、私は車の中でわけもわからぬスペイン語の操車マニュアルを、勘を頼りに読み続けることとなりました。結果、、、、、

かれこれ2時間もたった頃に、大きな黄色い車が上って来て、整備服の男性が下り立ちました。メカ音痴の我々が息を吞んで見つめる中、動かぬ車のボンネットを開けて、、、、箱のようなものを持ってきて、、、、
とにかくあっという間に直ったのです!
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最悪の場合は、私たちの車を引っ張ってあのヘアピンカーブの坂道を下りなければならなかった彼もホッ、私たちもホッ、ということで一件落着し、冷や汗をかきながらの2時間の後は、寄り道を諦めてまっすぐバルセロナに帰ることになりました。そして、無事に戻った夕食のテーブルで、こんな会話がなされることになりました。

「モンセラットは『カタルーニャの聖地』と言われるだけあって、全てが素晴らしかった。けれども、何年かたって最初に思い出すのは、動かない車に慌てた時のことかもしれないね。旅と言うのは、トラブルのあったものほど懐かしい思い出になるものだから。」

そして、私たちの数々のトラブルの思い出たちが、ひとつ、またひとつと、楽しくなぞられることとなったのでした。
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By 池澤ショーエンバウム直美


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11月28日(水):バルセロナ最古のレストラン「7つの扉」
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 04:17| Comment(0) | スペインライフ

2012年11月29日

Short Short Spain 1

朝のお散歩
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By 池澤ショーエンバウム直美
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 07:07| Comment(0) | スペインライフ