2013年02月12日

増える記念日

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立春が春めいた空気を連れてきてくれたと喜んでいたら、三連休明けの今日は、また冬に逆戻りしてしまったような肌寒さです。おまけに雨まで降り出しそう。寒さが苦手の私は、今頃はハワイにいたかも知れないのに、などと、変更になってしまった予定に未練を残しながら、コートにマフラーをしっかり巻いて冷気の中に飛び出します。

「マウイ島の西、ラハイナ・キャナリー・モールの波打ち際に続く芝生の上で、毎晩開催されているのがオールド・ラハイナ・ルアウです。ルアウとは、本来は宴会という意味。」

こんなことを以前書いたことがありました。
水平線をオレンジ色に染めた太陽が姿を沈ませ、松明の灯りと共に始まった「宴会」がたけなわになった頃、MC役の美しい女(ひと)が言いました。

「この中にお誕生日の方はいますか?」
「この中に結婚記念日の方はいますか?」
「この中に記念日の方はいますか?幸せな記念日ならどんな記念日でもかまいません。」

記念日コールに促されて次々に立ち上がった人たちが、「さあ、今日の特別な日を祝って踊ってください。」という言葉を受けて、砂の上で踊り始めました。

皓皓と照る月と松明の揺らぎ、頬をなでる風、規則的な波音によく合う椰子の葉擦れの音、、、、その場に居合わせただけでも、それは記念日でした。問いかけは続きます。

「お誕生日や記念日の人たちに『おめでとう!』を言いたい人はいますか?」

それまで座っていた人たちが、一人、また一人と立ち上がります。見回せば、誰かの記念日に居合わせた全員が立ち上がって、記念日がまた新しい記念日を創って広がっていきました。

2月には記念日がたくさんあります。
出会い記念日も、結婚記念日も、バレンタインも、お引越し記念日も、尊敬する方や幼馴染のお誕生日も、、、、失敗記念日や反省記念日だって(笑)。

2月ばかりではありません。考えてみれば、来月だって再来月だって記念日がいっぱいです。マウイの宴会のように、誰かの記念日を祝うことだって記念日なのですから。

つい先日の記念日に、出会えたことを感謝したくて、こんな言葉を贈りました。

Thank you for finding me among7billion people in the world.
I love you just the way you are.

記念日の嬉しいところは、年と共にどんどんと増えていくことです。

By 池澤ショーエンバウム直美


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2月11日(月): これっくらいのおべんとばこに〜久しぶりのお弁当作り
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2013年02月07日

嬉しい齢(よわい)の重ね方?

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おかあさんのお腹の中にいる時から知っていた子が
大学を卒業し、就職をし、結婚をしました。
それだけだって、「あの小さな○○ちゃんがねえ」と感無量なのに
1月には女の子のベビーのママになりました。

ベビーのママの、そのまたママである私の友は
長年憧れていた「おばあちゃん」になって大喜びです。

家族が減ってしまったことを知らせる喪中葉書のほとんどは
ひっそりと事実を知らせるだけですけれど
結婚だの、出産だの、増えたことを知らせる年賀葉書のほとんどは
手書きの文字が嬉しそうに踊っています。

ひっそり葉書の数が増えるのに比例して
踊る葉書の数も増えていくように感じます。
送ったり、迎えたり
悲しくもあり、嬉しくもあり
それがたぶん、齢(よわい)を重ねるということなのでしょうか。

教え子というには大げさですが
大人の知恵を授けると同時に、若い知恵を与えてくれた学生たちも、
毎年のように、夫になったり妻になったり
父になったり母になったりの、嬉しい報告をしてくれます。

この青年もそうでした。

「池澤さん、2月3日は日本にいますか?」
と問われて、「いますよ〜。」と答えたら
結婚式とパーティーの招待状が届きました。

やたら物知りで、大人びた口をきくのに
やさしくてナイーブな子でした。

「パーティーで乾杯の音頭をお願いしますね。」
と頼まれて、「やっと○○君に認められるようになったか、、、」と喜んだら
「何しろ池澤さんは僕より年上のお客の中で一番『古い』人ですから。だって16年も僕を知っているんですからねえ。」

なるほど、夜のパーティーで見まわしてみたら
たしかに一番古そうな人でした(笑)。

これもまた、齢(よわい)を重ねるということなのでしょう。
なかなかどうして嬉しい重ね方ではありませんか。

By 池澤ショーエンバウム直美


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2月7日(木): オリーブとサーディンのタルト
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:28| Comment(0) | エイジング

2013年01月20日

私の役割2〜成長し変化するもの

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よく晴れた朝です。大雪の日からそろそろ1週間がたとうというのに、まだまだ雪の残りが至る所に見られます。ご近所の方たちと一緒に、日陰の道に貼りついてしまった固い雪に水をかけたり、シャベルでコツコツとたたいたりしながら、「さあ、あとはお日様にまかせましょうか。」と暖かい部屋に戻ったとたんに電話が鳴りました。

「ずっと言いたかったんですけれど、我慢していたことがあるんです。」

という切り出しに思わず身構えます。電話の主は私より一回り以上年下の友です。

「決まりました!これまでもいろいろご心配をおかけしましたので、正式な結果が出るまでは黙っていようと思っていたんです。」

たしかにこの1〜2年、悩む友の聞き役になって、一緒に喜んだりがっかりしたりしながら、力になれる方にお繋ぎしたりもしてきました。けれども今のご時世、いかに能力や実績があろうと、就職や転職はなまやさしいことではありません。おまけに友の場合には全く別の領域へのキャリアチェンジを希望していました。そんな経緯があるだけに、新しい世界への扉が開いたことを知らせる電話は本当に嬉しいものでした。しかも、その扉の先にあるのは、これまでの苦労のご褒美とも思える素晴らしい世界なのです。

芦ノ湖を見下ろす静寂な銀世界にしばらくこもっていました。本来ならばそろそろ書きあがっていなければならない原稿が大幅に遅れているのです。しかも、これは今という時代に書かれるからこそ価値があるもの。まだ40代半ばの著者の行動力と、未来への思い、蓄積された経験を、進路に迷う若い人たちに、今、伝えなければなりません。夫に説明する時に口をついて出た言葉が、私の役割をそのまま表しているようです。

「My role is to encourage her, inspire her and help her write what she wants to say.」
(私の役割は、彼女を励まし、気づきを与え、言いたいことを書けるようにすること。)

人の役割はそれぞれです。ひとりの人に求められるのも、家庭人として、仕事人として、また、さまざまな繋がりを持ちながら今を生きている者としてなど、いろいろな役割です。しかも、それらは年月とともに変わっていきます。20代の頃の役割と、40代、60代では全く違います。私たちが時と共に成長し、変化をしていくように、「役割」というものも変化をします。

私自身の今の役割を考える時、そのひとつは人と人との間の触媒になることですし、もうひとつは、「さあ、今度はあなたの番よ。大丈夫、大丈夫、ほら。」と、その肩をポンと押しながら未来へのバトンを渡すことかな、と思います。失敗を繰り返しながら学んできた先達としての知恵や経験、人との繋がりの恵みを、何らかの形で次世代の人たちに使ってもらえれば、こんなに嬉しいことはありません。なぜならそれは、20代でも、30代でも、40代でもできなかった「役割」なのですから。

時に自分の子供のように若い人たちの足をひっぱり、彼らの進路をふさぐことにやっきになっている大人を見かけることがあります。自身の成長と共に、その「役割」も成長を止めてしまったのでしょうか。残念なことです。
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By 池澤ショーエンバウム直美


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1月19日(土):箱根湯本の酒屋さんで
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 12:52| Comment(0) | エイジング

2012年12月27日

また来たいと思います!

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どちらかと言えば、父と母は私たち姉妹を随分といろいろな所へ連れて行ってくれ方だと思います。遊園地にも、水族館にも、できてすぐの東京タワーにも、海水浴にも、温泉にも。母はきびきびとした器用な人でしたし、父はおっとりとした優しい人でした。「家族旅行」はいつだってわくわくと心躍るものでした。

高校時代には、仲良し8人組で旅行のまねごとなどもしましたし、大学に入ってからは今だに親交が続く友人たちと大きなリュックを背負ってユースホステルの旅などもしましたけれど、本当の意味で旅を始めたのは18の終わりの頃でした。

まだ大した恋などしたこともないくせに、「人に恋をするように土地に恋をする」ことを知ってしまったのです。それからはもう熱病にかかったかのようにひとつの地を思い、そこに「行く」のではなく、「帰る日」をひたすら夢見ていました。

その後、思いは形になり、ひとりが二人になり、二人がいつの間にやら四人になって、気づいて見れば私の恋は「家族旅行」という形になっていました。去る時には必ずこう言って、むせかえるような熱帯の花の香りの中で涙ぐみました。

「また来ますからね。」

所が変われど、ついこの間までは、何の抵抗もなく口にしていたこの言葉。
けれども、ふと気づいてみたら、最近はなんだかためらいがあるのです。

スペイン最後の滞在地グラナダを発つ前に、生後2週間のベビーから80近くのおばあちゃままで、2家族11人が私たちのホテルまで別れを惜しみにきてくれました。たがいを思いやる暖かさの中で心地よい時間が過ぎていった後で、誰かが言いました。

「また来てくださいね。」
「次はもっとゆっくりしてくださいね。」
「子供たちの成長も見てくださいね。」

これまでだったら、なんのためらいもなく

「ええ、また来ますからね。」

と言えたのに、口をついて出たのはこんな言葉でした。

「ええ、また来たいと思います。」

長い人生の旅の中での、ある意味正直な
ある意味そこはかとない寂しさです。

By 池澤ショーエンバウム直美

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12月27日(木):リンゴとトマトとセロリ〜ふうっと笑顔の不思議なスープ
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 22:02| Comment(0) | エイジング

2012年11月04日

ゆるゆると学ぶ贅沢

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東京にいなければできないことがあるように
ここにいなければできないことがあるならば
そのひとつは、スミソニアンでの学びでしょうか。

スミソニアンの講座やワークショップ、コンサートなどのイベントを紹介するパンフレットの今月号は、さまざまな分野から83種類が掲載されています。会員であろうがなかろうが、多少の参加費の違いがあるだけで、誰でも受講したり、参加することができます。ナショナルギャラリーを始めとするスミソニアン群の美術館、博物館が全て入館無料なのと同じように、これはたとえ有料とは言え実に素晴らしいシステムだと思います。

まず第一に、スミソニアンというブランドに対する信頼感を裏切ることのない上質のものが提供されています。第二に、ほとんどが単発のものですから、その時々の興味のおもむくまま、その時々のスケジュールに合わせてかなり自由に選ぶことができます。そしてこれまでの経験で言えば、まずギリギリでも受け入れてもらえます。

やっと一息ついて二人で出かけたのは、1日夜の「The Giants of Barcelona」、ピカソ、ミロ、ダリ、ガウディ―という4代巨匠の作品とその背景についてのものでした。開講ギリギリに飛び込んだら1階も2階もほぼ満席。なんとか離れ離れの所に空席をひとつずつ見つけたとはいうものの、こんなにたくさんの人たちが来ているとは予想外でした。ほとんど実用の場には役立たないものですし、今アメリカでスペインがとりわけ話題になっているわけでもないのですから。

その大半は私たちと同じようなシニア層です。そして夫婦と見られるカップルがそこここに見られます。同じ興味を持っているカップルもいれば、パートナーの興味に合わせようとするカップルもいるのでしょう。

さて一夜明けて昨日の午前中は、「Holiday Decorating〜Smithonian-Style」でした。タイトルが示すように、これからやってくる感謝祭やクリスマスなどの季節に向けて、花や枝や葉を使って家の内外を飾るための実践講座です。第一部はスミソニアンが手掛けてきた様々な装飾をスライドで学び、第二部では二人の先生が実技のデモをしてくれます。

不思議なもので、興味がある上に、必要に迫っているとあらば、身を乗り出すようにして真剣に見、一生懸命聞きます。写真を撮り、メモを取り、勇気を出して質問だってします。バルセロナの時よりは先生の言っている言葉もずっとよく理解できます。

ポインセチアとサボテンを組み合わせたり、クリスマスに菊を使ったりは考えてもみなかったことでしたし、コンテナー(容器)の選び方や、フラワーチューブやワイヤーを使っての基本の技術などもとてもアメリカ的で面白く、広がった世界の中でランランとスキップをして帰りたいほどでした(笑)。こちらの講座はたった一組の若いカップルを除いては見渡す限り女性ばかりでした。
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時間が許せばまだまだ学びたい講座がたくさんあります。たとえば、、、、、

*オスマントルコの職人たち
*モロッコの危険な美女たち〜Lalla Essaydiの芸術
*スミソニアンの温室
*瞑想〜仏教と科学との遭遇
*ヘミングウェイとカクテルを
*ダンスで見るアメリカの歴史
*ロートレックとモンマルトル
*ワシントンの昨日
*1930年代のニューヨーク

来年1月26日の土曜日には、午前10時から午後4時までの一日講座「KYOTO」が開講されます。第一部は「天皇の力の中心としての京都」 第二部は「文化の都、芸術の都」、ランチをはさんで第三部は「将軍の時代の京都」 そして第四部は「新旧の交わり〜21世紀の京都」です。受講料は90ドルから130ドル。これにもまた、たくさんのシニアの人たちが集まるのでしょうか。

テストや受験のために徹夜をしてまで学ばなければならない時代もあって
仕事のため、生活のために、歯を食いしばってでも学ばなければいけない時代もあって
今ようやく、好きなものを好きな形でゆるゆると学ぶことができる、、、、
年月を経た者だけに与えられる最高の贅沢かもしれないと、ありがたく思っています。

By 池澤ショーエンバウム直美


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11月3日(金):昔懐かし日本の少女
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 06:42| Comment(0) | エイジング

2012年09月26日

あっぱれ 爽やか

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長い一日でした。けれども、いい日でした。
たくさんの笑顔に会いました。
たくさんの優しさに包まれました。
こうして、帰国してからまだ1週間ちょっとの時間が、急ぎ足で過ぎていきます。

還暦という特別なお誕生日を迎えた友に、お祝いのメールを送ったら、すかさずこんな返事が返ってきました。

「40代を終えて50歳に突入する時はわけのわからぬ不安に駆られていました。
 でも、五十代がなんとも楽しく過ぎ、今六十代の仲間に加わることが『面白い』のです。『ああ、今日もいい日だったなあ』と一日を終えることが、『ああ、いい人生だったなあ』ということになるのでしょうか。これからもよろしくお願いいたします。」

若い時から寸分変わらず、飄々と美しく自分の道を歩いている自慢の友です。

かたや、こちらはカリフォルニアから、敬愛する元上司のアメリカ人です。先週米寿を迎え、いつもながらの長いメールで「今の思い」を語ってくれました。その最後の部分だけを日本語にしてご紹介すれば、

「年を取るにつれて、ポジティブになることがだんだん簡単になる。他人が自分のことをどう考えているかなんて若い時ほど気にならなくなるし、間違ったことをする権利をやっと得たような気すらするよ。君の質問に答えるならば、僕は年を取っていくのが好きだよ。それは僕を自由にしてくれる。僕は、今ここにいる僕が好きなんだ。永久に生きるわけではないのだから、せめてまだこの世界にいる間ぐらいは、『ああすればよかったのに』などと悔やんだり、『これから自分はどうなるのだろう』などと心を煩わすことに時間を浪費したくはないね。」

新還暦の友も、新米寿の元上司も、実にあっぱれ、実に爽やかです。
うらやましいぐらいに。
                                By 池澤ショーエンバウム直美


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9月25日(火):3日続きのミルクティータイム
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 00:40| Comment(0) | エイジング

2012年09月19日

アンチエイジング街道を歩く仲間たち

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昨日は、気持ちのよい仕事をさせていただきましした。
人あっての仕事と言うのは、発信する側と受信する側の波長の組み合わせ次第で、同じ内容で講義や講演をしても、「ああ、気持ちがよかった!」と思える時と、なんとなくすっきりしない時とがあります。

受講生は65名。
平均年齢は68.7歳!
男女比で言えば、3分の2が女性です。
一番多いのは60代ですが、70代の方だって20名、80代だって4名もいらっしゃいます。

もっとも、60歳以上の方々を対象とした東京都の「シニアコース」ですから、平均年齢には驚きません。3年間で50単位以上取得することが義務付けられた区民カレッジです。45単位以上で終了単位に達しない場合は、1年に限り留年することもできます。素晴らしい企画、素晴らしいシステムです。

講義中は、皆さん目がキラキラと輝き、笑ったり、メモを取ったり、うなづいたり。
最後には、いつものように質問の手がたくさんあがります。
そのどれもが、的を得た「good question!」と言いたくなるものばかり。
講義が終わってからだって、これまたいつものようにたくさんの方々が演台を取り囲み、質問をなさったり、お話をなさったりします。

一番最後まで残られた薄紫色のツーピースをエレガントにお召しになった女性など、「私、82歳なんですよ。だいぶ前から意識してオリーブオイルを使っています。新しいことに挑戦するたびにワクワクします。」

そのせいか、お肌も艶やか、お話も明晰で、どこからどう見たって82歳には見えません。最近こうした機会が多くなって思うのは、そもそもが、何かを学ぼう、外に出て新しい世界を知ろうと思われる方々は、それだけでもう、アンチエイジング街道を歩いていらっしゃるのだろうと言うことです。

以前にもご紹介したことがありますが、今年の2月のワシントンポスト紙とジャパンタイムズ紙に掲載された記事、「あなたの脳を鍛える10の方法〜いかにしてアルツハイマーになるのを防ぐか」の中には、たしかにこんな「方法」が勧められています。

第三の方法  Seek out new skills
スドクやブリッジなど、頭を使う新しいことを学ぶこと。(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)

第七の方法  Find your purpose
人生の目的を持つことは頭脳を明晰にする。950人の年配者の調査結果によると、調査開始時に自分の人生にはっきりとした意図を持っていた人たちは、その後7年間の間にアルツハイマーを発症する率が、そうではないグループよりも低かった。(ラッシュ大学)

第八の方法   Get a social life
友人および社会的ネットワーク、豊かな社交生活を持つ人は、アルツハイマーになるリスクが低いことが15年間の追跡調査の結果明らかになった。(カロリンスカ研究所)

終わってから、気心知れたスタッフの方々とお疲れ様、そして講座が滞りなく終了したことへの祝杯をあげました。二人はすでに還暦を過ぎています。それでも、もしかしたら受講生の皆さんと同じように、実年齢よりは多少若いかもしれないのは、やっぱり上の3つの方法を無意識のうちに実行しているからかもしれません。そして、だからこそ、気心知れる仲なのかもしれません!


By 池澤ショーエンバウム直美


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9月19日(水):クレタ島のお菓子メロマカロナって?
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:58| Comment(0) | エイジング

2012年07月17日

人それぞれのライトタイム〜YUMI1とYUMI2と私

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誰でもそうでしょうが、何があっても決して変わらない友人たちというのがいます。年月というフィルターを経てもなお、男女を問わず、全幅の信頼を寄せることのできる人たちです。しょっちゅう会うわけではなくとも、いつもちゃんと繋がっている気がします。困っていればさりげなく助けてくれますし、こちらもまた、押しつけがましくならないように助けます。

香港へ発つ前に、立て続けに二人のYUMIと会いました。仮に一人をYUMI1、もう一人をYUMI2としましょうか。その二人とも、長年にわたる大切な友です。

YUMI1もYUMI2も、そして私も、それぞれに仕事の引き際について考えています。きちんと決められた定年がある仕事とちがって、私たちは自分の裁量で決めなければならないからです。

YUMI1は、私よりも一つ年下なのに、いつも私のメンターです。彼女の言葉はいつだってまっすぐに私の心に届きます。そして、漣が立った心の池を、また元通りの静かな水面に戻します。

品川での3時間、私たちは本当によくしゃべりました。彼女はもうずっと長いことカナダに住んでいます。そして、仕事で定期的に日本にやってきます。2つの国に文化的な架け橋を作る素晴らしい仕事です。YUMI1が言いました。

「『まだやってるんですか?』とは言われたくないの。『あら、もう辞められたんですか!』と言われたい。引け際を知っている人でありたいの。

お弁当を持ってクマ*とゆっくり散歩をし、森の中をどこまで行っても帰る時間を気にしないでいい生活。映画を見て、テレビを見て、友だちと会い、喧嘩もしない、いやなこともない。(*クマとは愛犬の名前です。)

私はこの仕事を始めてからもうすぐ38年になるの。他人からの『頑張ってますねえ』の評価ではなく、自分の生き方は自分が知っていればいい。誰かに誤解されたくない、わかってほしい、というのは、まだ相手に期待していることでしょう?

相手の気持ちはどうすることもできなくとも、自分の思いは自分でコントロールができる。
私たちのような大人はそれができなければいけないし、そうする権利があると思うの。

わかってほしい人には説明もするけれど、たとえわかってもらえなくたってそれでいい。そんな自分のありのままを見てくれる人たちがいるならば。私たちには家族がいて友人がいる。何があっても『きっと理由があったんだろう』とそっとそのまま受け入れてくれる。私はね、もうそれだけでいいと思うの。だんだんと物を持つことにも興味がなくなってきたし、いい感じで引け際に近づいていると思う。」

かたや、YUMI2の方も、30年以上ひとつの仕事の道を歩いて来た友。泣いたり笑ったりしながら、頑張って、頑張って、本当によく頑張ってきた彼女に、もうそろそろ、「よくやったよ。お疲れ様!」と、肩の一つもたたいてあげたいぐらいです。

けれども、YUMI2は言います。

「私はね、まだ夢に届いていないの。だからあと5年は今と同じように、ううん、もっと一生懸命働くの。そうしなければ、私、この道に踏み出したことをずっと後悔し続けるだろうから。」

「そうだね、それでいいんだよ。」とそれぞれの異なる思いを受け入れ、その決断に応援をしながらも、私は自分自身についてもまた、考え続けています。けれども、ひとつ確実に言えることは、「手帳のページが真っ白だと不安でたまらない」YUMI2とは全く反対で、今の私は真っ白な手帳のページを見つけると、本当にほっとして嬉しくなるのです。

人それぞれに「ライトタイム」というものがあります。
YUMI1も、YUMI2も、私も、その「ライトタイム」を正しく選択するために、ずっと一緒に歩いています。
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                   By 池澤ショーエンバウム直美

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7月17日(火): 最初で最後?ジャンボ・キングダム


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2012年07月09日

みんなで一緒に暮らしたら

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試写会の招待状が送られてきました。めったに行きませんけれど、これにはとても惹かれます。私が若いときからなんとなく考えてきたことだからです。
とりわけ近年は、友人たちが集まれば、誰彼ともなくこんなことを言い出します。

「いつかう〜んと年を取ったら、みんなで一緒に暮らさない? それぞれの得意分野を出し合って、つかず離れずほどよい距離感で。庭いじりが好きな人も、絵が上手な人も、掃除が得意な人も、整理整頓ならまかせてと言う人も、ピアノ弾きも料理好きも、医者も弁護士も税理士も学者もいるじゃない。みんなが好きな分野でほかのみんなを助けて、みんなが苦手な分野でほかのみんなに助けられ、、、、一人だろうが、夫婦一緒だろうが、そんな風に老後を一緒にゆるゆる楽しく過ごせたらいいよね。」

10月に公開になるというこの映画の題名が、まさにずばり、「みんなで一緒に暮らしたら」です。原題はフランス語で、「Et si on vivait tour ensemble?」です。

ちょっと案内文を読んでみますね。

「人生のエンディング・ライフ、あなたはどう迎えたいですか?

 昔から誕生日を一緒に祝ってきた仲間たち。アルベールとジャンヌ夫婦、ジャンとアニー夫婦。そして一人暮らしのクロード。病が進行していることを知ったジャンヌは、人生の最後をどう過ごすか考え始めていた。夫のアルベールが記憶を失いつつあることも心配の種。

一方、アニーは孫が遊びに来ないことを嘆き、ジャンは高齢を理由にNPO活動を断られる始末。ある日、デート中に発作で倒れたクロードが、息子に老人ホームに入れられるという事件が発生!

自分たちの幸せと自由を守るため、5人は手伝いの青年を雇って、みんなで一緒に暮らすという斬新なアイデアを思いつく。ロカルノ国際映画祭で感動の拍手を浴び、フランス、ドイツで100万人動員の大ヒット。新鋭ステファン・ロブラン監督が、人生で誰もが直面する問題を、緻密な脚本と軽妙な演出で描く。

仲間と笑顔とシャンパンと、
素敵なお家があればいい!
人生の、最高な最後の選択」

「うわーっ、この映画見たい!
 絶対見なきゃ!」

と思うのは、やっぱり私もアレかな、のアレの部分はさておいて(笑)、見たい映画がまたひとつ増えました。
                        By 池澤ショーエンバウム直美

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7月8日(日): 若大将の心意気〜自宅が寿司屋に
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2012年06月29日

Every age is a great age!

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「アメリカの悲しき恋人〜ジュディー・ガーランド」でお隣にすわった年配のご婦人が、休憩時間にこんなことを言いました。

「ねえねえ、あなたたち、ビビアン・リーを知ってるでしょう?彼女もガーランドと同じぐらい悲しい人生だったのよ。亡くなったのだって53歳。ガーランドの2年前だった。二人ともあんなに素晴らしい女優だったのに、、、、」

「ビビアンの妹がね、この近くに住んでいたのだけれど、今週亡くなったの。94歳だったそうよ。」

夫が言いました。「94! It’s a great age!」

すると婦人が毅然として言いました。「Every age is a great age!」

「94! それはグレートな年ですね!」
「あら、どんな年だってグレートですわよ!」

二人のなんとなくボタンを掛け違えたような会話が面白くて、笑いをこらえていたら、二人もなんだかおかしいことに気が付いて、みんなで一緒に大笑いしました。そして異口同音に言いました。

「Young or old, every age is a great age indeed!」
その通り。若かろうが年を取ろうが、何歳だってみんなグレート!

そう思えば、時に辛すぎる人生の旅も少しばかり気が軽くなります。
だって、いくつだろうが、一生のうちに一度しかない年なのですから。
それだけだって十分にグレートです。

By 池澤ショーエンバウム直美


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6月28日(木): ほうれん草七変化
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2012年06月20日

その分いいことに時間を使わなければ〜ロングフェロー家の老婦人

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メイン州ポートランドの中心部からさほど離れてはいない所に、アイリスとライラックと、牡丹と白い山吹が美しく咲く庭があります。そして、それを隠すようにして、18世紀に建てられた古いレンガの家が建っています。

そこが、19世紀にポートランドで生まれ育ったアメリカが誇る大詩人、ロングフェローが暮らしていた家です。家自体は彼の母方の祖父によって建てられました。

いちおう英文科でしたから、その名前ぐらいは頭に残っていましたけれど、恥ずかしながら作品を読んだことはありません。アメリカの人たちならば、そのひとつや二つは学校で習い覚えていると言います。200年目のお誕生日を祝して、2007年には39セント切手になったぐらいです。
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この建物は今では一般公開されて、ガイドの案内のもと、内部をくまなく見ることができます。ロングフェローについてほとんど知らない不肖の見学者は、もっぱら庭歩きを楽しみ、室内ではガイド役の老婦人のウィットにあふれた巧みな話術に惚れ惚れとしていたのでした。

1階と2階の見学が終わって自由解散になった時、たまたま隣にいた婦人と、どちらからともなく言葉を交わすことになりました。そして、よく通る声と、絶妙な間の取り方で聞く者を魅了したそのご婦人が、89歳でいらっしゃることを知ることとなりました。

「長い年月、海外で暮らしていたけれど、年金生活に入るのを機にここに戻ってきました。私もここで生まれ育ったんです。大学もロングフェローと同じブランズウィックのボードンカレッジですよ。ですからこの詩人にはとても親近感を感じていましたし、偉大な詩人だと誇りに思っています。

夫は亡くなりましたし、子どもたちも独立して遠くに暮らしています。妻としても母としても、仕事人としても、もう充分に役目を果たしただろうと思い、最後に我がままになることに決めました。自分の好きなことを好きなようにやりたいと。お金のためにはもう働きたくないと。

週に3日ですが、こうしてここで初めてお会いする皆さんに話をするのは、私の生活に張りを与えてくれるのですよ。まだまだ役に立っているのだなと。そんな張りが、何を聞かれてもいいように、もっともっと勉強しなければという気持ちにさせます。そして、勉強をするのがとても楽しいの。若い頃には決して味わえなかった贅沢です。

ロングフェローよりも、もう14年も長く生きているのだから、その分いいことに時間を使わなければね。あなたが私に会ったことをきっかけにロングフェローの詩を読もうと思ってくれたら、そんなことだって、私にとっては『いいこと』のひとつなの。」

続く何日間かの間に、私たちは色々な所でロングフェローの碑に触れることになりました。たとえば、彼の母校、そして老婦人の母校である大学のキャンパスで。
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崖の上に立つ灯台の足元で。
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By 池澤ショーエンバウム直美


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6月19日(火):日本食お客様ディナー何作る?〜ソフト篇
       

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2012年06月17日

175歳、万歳!!のコンサート

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ご丁寧な手書きでその手紙が届いたのは、ゴールデンウィークが明けた頃だったと思います。それは、6月9日の土曜日に行われる「175歳コンサート」へのご招待状でした。差出人は、私が数年ほどコンサルタントとして仕事をしていた先の理事の方です。

いつも大きなお部屋におひとりで執務をなさっていて、たまにお昼の食堂で同じテーブルについて四方山話を交わす程度でしたが、その素敵に飄々としたお人柄が大好きでした。ですから、ご家族やご友人ばかり50人ほどの内輪の機会に、お声をかけてくださったことをとても嬉しく思いました。

昭和4年のお生まれですから、今年でもう83歳になられます。数々のご要職を歴任なさった後に、65歳からヴァイオリンを始められました。ヴァイオリンばかりではありません。歌もお歌いになるのです。

もうお一方の素敵な紳士は、さらに遡って大正9年のお生まれですから、92歳になられます。大学時代にヴァイオリンを始め、卒業してからは大手商社に入社なさり、海外での長期勤務を繰り返す人生を歩まれました。1952年には、煙草の葉の買い付けで1ヶ月も北部ギリシャに滞在なさった、というほどのツワモノです。

さて、お気づきになりましたでしょうか。
83+92=175、そう、ちょうど1週間前の土曜日に都内のホールで開催されたのは、このお二人のジョイントコンサートだったのです。

ところが、私は日本におりません。なんとも残念な気持をお伝えすると、すぐにこんなお返事をいただきました。

「それでは、よろしければ最終リハーサルにおいでになりませんか?」

ということで、出発前日の昼間、年長の紳士のご自宅で、まずはご一緒にお食事をし、リハーサルに立ち会って、午後のティータイムでは焼いて持参したケーキを召し上がっていただくという何とも贅沢な時間を頂戴することとなりました。

もちろん当日のプログラムに沿ってのリハーサルです。2台のヴァイオリンの二重奏に始まって、それぞれの方々のソロ演奏、また2台のデュエットがはいり、、、、と繰り返される中で、83歳の紳士が、ピアノの伴奏で、オペレッタ「ミカド」の中の曲や、フォスターの曲を歌います。朗々としたテノールです。

友人が、大成功に終わった9日のコンサートの模様を、写真つきで報告してくれました。
それがこちらの写真です。
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その報告によれば、

「コンサートはご家族が総出でサポートをされ、ご長女の婿さんが司会。お嬢様たちが、始まる前の受付やパーティの準備。出された食べ物は、ご自宅の畑のえんどう豆など、ほとんど手作りのものでした。お土産にはかわいい袋に入ったクッキーが一人ひとりに渡されました。心温まるコンサートでした。」

ヴァイオリンのことを初めてお聞きして正直に賞賛の念をお伝えしたら、こんなお言葉が返ってきたのを思い出します。

「所詮は『年寄りの道楽』です。私は何の才能もありません。ただ人間様と音楽に興味があるだけです。」

175歳、万歳!!

リハーサルで聞かせていただいた「懐かしき愛の歌」という歌がとても美しいメロディーと歌詞でしたので、終わってから83歳のテノール歌手にお聞きしてみたら、J.A.Molloyの「Love’s Old Sweet Song」という曲に、ご自身で翻訳した詞をつけたとのことでした。

なつかしのはるけき日
霧わきて霞む頃
夢に浮かぶ思い出の
甘き愛の歌の声
(略)
二人の影揺れ揺れて
心ふさぎ悲しき日
なおも聞こゆ愛の歌
今もなお

なんだかほかっと癒されます。

175歳、万歳!!
こんな風に年をとれたら、、、、
By 池澤ショーエンバウム直美


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6月16日(土):メイン最後の夜のこと
       

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2012年05月25日

脳を鍛える10の方法

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昨日、「秋のビジネスクラスの旅」で紹介されたのは、通常のパッケージ旅行とはまるで異なる3つのものでした。何が違うかと言えば、移動をビジネスクラスと謳っていることのほかにも、名の知れた観光地を急ぎ足で周遊するのではなく、ひとつのテーマを持って行程を繋ぎ、宿泊するホテルにもこだわりを見せていることなどでしょうか。おそらくそれは、これまで何度も旅をしてきた方々、しかも時間とお金にある程度の余裕がある方々を念頭に組み立てられたものなのでしょう。

スペインでしたら、「銀の道」と呼ばれるローマ帝国時代に作られた交易路にして巡礼路を、メリダからヒホンまで南北に辿る11日間です。

ポルトガルでしたら、葡萄の収穫期に合わせてドウロ渓谷を巡る10日間ですし、フランスならば、パリは飛ばして、画家たちが愛した南仏の小さな田舎町をゆっくり巡る10日間です。

当然ながら、ご参加になった方々のほとんどは、旅慣れたシニアの方々に見受けられました。そんな場で、食と旅、そしてオリーブオイルの魅力について講演をする機会をいただき、資料を作っていたら、随分前に切り抜いたままほとんど読みもしなかった新聞記事を見つけました。読み始めて見ればなかなか面白く、旅をしようとするシニアの方々にとってのヒントもたくさん詰まっているのです。

簡単にご紹介させていただきます。

「あなたの脳を鍛える10の方法〜いかにしてアルツハイマーになるのを防ぐか」は、世界最大の高齢者NPOであるAARPのBeth Howardさんがワシントンから発信した記事です。ワシントンポスト紙からのこんなコメントもついています。私の切り抜きは、今年の2月7日のジャパンタイムズのものです。

「Don’t forget: Just like the rest of the body, the brain needs exercise and stimulation to stay healthy as it ages.」 
(他の身体の部分と同じく、脳にも運動と刺激が必要なことを忘れないように)

その1 Get Moving
よく運動をする人は、そうでない人より30〜40%もアルツハイマーのリスクが少ない。
からだを動かす人は、記憶力の衰えも少ない。理想的には1週間に150分の運動が好ましいが、たとえ15分の運動を週3日定期的に行うだけでも脳の状態を保つには効果がある。(イリノイ大学)

その2 Pump some iron
1年間、バーベル上げのハードなプログラムに参加した年配の女性たちのグループは、からだに優しい運動をしていた女性たちのグルーブよりも13%ほど記憶力が優れていた。からだにストレスを加えることは、脳を活性化させる。(ブリティッシュコロンビア大学)

その3 Seek out new skills
クロスワードを日常的に楽しむだけではなく、たとえばスドクやブリッジなど、頭を使う新しいことを学ばなければいけない。あまりインターネットを利用しない中高年の人たちに1週間ネットサーフィンをさせると、決断力と推察力が増加した。(UCLA)

その4 Say “Omm”
ストレスを慢性的にかかえこむとは記憶力を減退させる。ストレスを上手に回避すること。(ハーバード大学)

その5 Eat like a Greek
魚、野菜、果物、ナッツ、豆、オリーブオイルを多く摂取する地中海型食事法はアルツハイマーになるリスクを34%から48%も引き下げる。(コロンビア大学)
たとえ加工品であろうとも、果物や野菜のジュースを週に3杯以上飲む人は、週に1杯以下の人に比べ、アルツハイマーを発症させるリスクがきわめて低い。(ヴァンダービルト大学)

その6 Spice it up
黒胡椒やシナモン、オレガノ、バジル、パセリ、ジンジャー、バニラなどのスパイスは脳に活力を与える。特にカレーに含まれるターメリックは効果がある。しばしばカレーを食べる人は記憶力テストのスコアが高かった。また、インド人はアルツハイマーの発症率が低い。(セダースシナイ医療センター)

その7 Find your purpose
人生の目的を持つことは頭脳を明晰にする。950人の年配者の調査結果によると、調査開始時に自分の人生にはっきりとした意図を持っていた人たちは、その後7年間のあいだにアルツハイマーを発症する率が、そうではないグループよりも低かった。(ラッシュ大学)

その8 Get a social life
友人および社会的ネットワーク、豊かな社交生活を持つ人は、アルツハイマーになるリスクが低いことが15年間の追跡調査の結果明らかになった。(カロリンスカ研究所)

その9 Check vitamin deficiencies
加齢と共に、必要とされる栄養の全てを食べ物から摂るのはむずかしくなる。特に気を付けなければならないのはビタミン12である。B12は脳を元気にし、思考力と記憶力を保持させる。(ラッシュ大学)

その10 Reduce your risks
糖尿病や肥満、高血圧はアルツハイマーに繋がる要素を持つことを知り、食事法、運動などで、その改善に努めること。(カロリンスカ研究所)

今すぐにバーベル上げを始めたり、ブリッジを習うことはできなくとも、15分の運動や野菜ジュースを飲むことなら簡単にできますし、これら10の法則を心構えとして心に留めておくことは決して悪いことではありません。

そして気づけば、あるテーマを持った旅に出ようとする方々は、少なくとも1から8まではまず満たしている、あるいは満たすであろうではないですか。ええもちろん、皆様にはしっかりとお伝えいたしましたし、わが身も肝に銘じましたよ。

By 池澤ショーエンバウム直美



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5月24日(木): 120歳への道はオリーブオイルで
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2012年02月09日

美しい朝と、晴れやかな昼と、おごそかな夜

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 何て美しい朝だったでしょう。私の部屋にすら光が影を織りなして。
 何て晴れやかな昼だったでしょう。高い空は眩しく輝いて。
 何ておごそかな夜だったでしょう。昇る大きな赤い月が下界を照らして。

 最近心打たれた言葉の2つ、いえ、2人の言葉。

 ひとりは89歳になったばかりの詩人で墨彩画家の加島祥造さん。信州・伊那谷に独居しています。

 
 「いつものように独り茶をして、まず玉露を淹れ、つぎに抹茶をのんでから目を外に向ける。(中略) 車とテレビと新聞はないし、耳が遠くなったので電話とラジオは役に立たない。コンピューターも使えない。このように言うと、まるでダルマみたいにただ坐って日々を過ごしているかのようですが、そうではないのです。補聴器で人と話せますし、読みたい書物は十分にあるし、今年からは電子書籍用のキンドルやアイパッドも使う。(中略) 文章を書くことや墨彩画を描くことは、一日に二、三時間しか続きません。朝食前の独り茶に一時間ほど坐る。来客に接する、午後の昼寝や夜の風呂までを加えると、忙しいと言えるほど一日が早く過ぎる。」 (「本の窓」2月号)

 もうひとりは93歳の日本画家、堀文子さん。69歳でイタリアの古都アレッツォ郊外にアトリエを構え、80歳を過ぎてからペルーやヒマラヤ山麓に取材に出かけています。

 「ヒマラヤの山麓に咲くブルーポピーを、どうしてもこの目で見たかったのです。もしもやりたいことがあるのなら、自分の力ですることです。人に相談してはいけません。『また今度』と言うと、二度とチャンスは来ないのです。私はやりたかった大抵のことはしましたので、悔いはありません。」

 「最近、『ニュートン』『ナショナルジオグラフィック』といった雑誌を読みふけっています。原子力発電に変わる新しいエネルギーの問題、アフリカの先住民の話題など、すべてが面白いのです。(中略) 自分が目減りしないように、ちょっとでもマンネリにならないようにと、常に驚いて不安で仕方のない人生を送ろうと心がけてきました。」 (「朝日新聞」1月27日)

 一見正反対にも見える加島さんと堀さんの生き方は、美しい朝と、晴れやかな昼と、おごそかな夜のどれもが素敵なように、、、、、、、素敵です。
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2012年02月08日

最高の人生をあなたと

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 ジャパンタイムズ紙の100点満点に近い映画評に惹かれて、4日の封切り日に駆けつけた映画は「最高の人生をあなたと」。さぞや混んでいるだろうと思ったのに、なんとガラガラです。

 解説によれば、「どのように年齢を重ねるのが最高の生き方なのかーーー高齢化が進む先進諸国に共通するこの命題を、本作はユーモアを交えながら軽快に紡ぎだします。そこには、年齢に逆らう(アンチ・エイジング)ではなく、年齢とともにしなやかに生きる(ウィズ・エイジング)効用が謳いあげられています。」

 中味は、老いを受け入れて生き方をそれらしく変えるべきだという60歳間近の妻メアリーと、「僕は変わりたくない。仕事をしたい。」と反抗する建築家の夫アダムとの物語。

 まあ確かに、若い世代には興味がないテーマでしょう。では、当事者世代には?

 面白いと言えば面白い、でも、正直、100点満点ではないなあ、と、言ったところでしょうか。根本にある葛藤が普遍的なものであるだけに、かえってシチュエーションの違いが気になって共感に繋がらなくなってしまうのです。

 それでも、同世代の人には、全く日本人らしくない表現方法を取る夫婦のあり方を見るだけでも、一見の価値はあるかもしれません。

 いくつかのシーンはとても印象的です。たとえば、医者に運動をしろと言われてプールでアクアビクスのクラスに加わるものの、ぴちぴちした若い女性たちの中で憮然とするメアリー。
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 鏡の前で老眼鏡をかけたり外したりしながらマスカラをつける彼女には、思わずわが身を重ね合わせてしまいますし、迷いの中でどうしてよいかわからずに呆然と頬杖をつくアダムは抱きしめたくなります。
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 そして、溝が深まった二人が、同じバスタブの中で向かい合うように体を伸ばし、目を閉じて湯につかる場面は素敵です。それは長い間、喜怒哀楽を分かち合ってきた者だけが持つことのできる時間です。

 最後はもちろんハッピーエンドです。だからこそ「最高の人生をあなたと」などと言うタイトルになるのでしょうが、私はどちらかと言えば、原題の「LATE BLOOMERS」(遅咲きの花)の方が好き。

 ちなみに、メアリーを演じるのは、大女優イングリッド・バーグマンとイタリア人のロベルト・ロッセリーニ監督の娘である、美女の誉れ高きイザベラ・ロッセリーニですし、アダムは「蜘蛛女のキス」でアカデミー賞主演男優賞に輝いたウィリアム・ハートです。

 なのに初日はガラガラ。

 ところで、松葉杖を電車の中に忘れて下りてしまった人の話を聞いたことがありますけれど、私、目下、愛用の三角巾が行方不明です。家のどこかにあるはずなのですけれど。仕方なく、スカーフを縛ってみたら、これがなかなか行けるのです。スカーフならば色とりどりのより取り見取り。しばらくは、三角巾でお洒落をします(笑)。
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posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:19| Comment(2) | エイジング