2013年01月30日

38巻まできた栄花物語

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右目から左目へと二度の白内障の手術を終えて、1週間前に退院した先生にお会いしました。お日様がまぶしかったり、遠くが見えなかったりと、まだまだご不便はあるものの、心配していたよりもずっとお元気でした。

初めてお会いした24年前からこれっぽっちも変わらずに尊敬をしている先生です。

先生、段差がありますよ。
先生、そこ狭くなってますからね。

などと、時には手を差し出しながら、並んだり、後になったり、先になったりしながら歩きます。

お会いするたびに、いろいろなことを教えていただいて、感動もすれば、心も潤います。先生にお会いした後は、知の喜びに満たされて、心の川が清流になるようです。

数学者なのに、先生は栄花物語をもう3年も読み続けています。もちろん原文です。あまりに複雑な人間関係を読み解くために書き進めた系図がすでに7頁。神田の古本屋でふと出会った分厚い2冊の古書がそのきっかけでした

栄花物語は全40巻。
先生は毎日寝る前に30分から1時間、それを読みます。
そうしたら、もう38巻も読んでしまいました。

二度の入院の時も、16頁のコピーを病院に持っていき片目で読んだそうです。何しろ退屈なものですから、いっきに読んだと言います。そして、わかったそうです。「少しずつ読むよりもいっきに読む方が効率がいい。いろいろ思い出す必要もないから。」と。

けれども先生は、この習慣を一度だけお休みしたことがあります。
それは、ある日ある時、偶然に、中学時代の日記を見つけた時でした。インクが擦れかけているのを見た時に、消えてしまう前にパソコンに移さなければと、せっせとキーボードを叩き始めたそうです。「そりゃ君、時間がかかって大変だったんだよ。」と、私の大好きな穏やかな笑顔でおっしゃいます。

どうして数学者の先生が、平安時代の古典などを読み続けているのでしょう。

「数学をやっていると頭が止まらなくなるんだよ。そんな時に頭の動きを止めるには、碁を打つことがひとつ、そして数学とはおよそ関係のない本を読むことがひとつ。碁について言えば、前に自分で打った碁を並べてみたり、まるでちがったものを並べてみたりすると、数学の思索が止まる。栄花物語を読むこともそう。まさか読みながら数学を考えるわけにいかないから、おのずと考えるのが止まるんだ。」

ここまでだって十分にエキサイティングで、十分な示唆がありますが、まだまだ話は展開します。グローバルとは? 真の国際人とは? リベラル・アーツとは?

私だけの中に留めておくにはもったいなくて、
先生の許可をいただいて、また次回も続けます。

まるで学生時代に戻ったかのように知的ときめきに心躍らす時は、誰が何と言おうと文句なく、私の幸せ時間です。

By 池澤ショーエンバウム直美


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グローバルキッチンメニュー
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1月30日(水):メインディッシュは朝摘み水菜と、大好きなパン包み布
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:04| Comment(0) | 友人
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