2013年01月24日

浅草の神社で出会った麦藁蛇

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ごぞんじ、仲見世を抜けたところにあるのがいつも賑わいを見せる浅草寺。観音様をまつる都内最古のお寺です。そしてそのすぐ右隣に建つのが浅草富士浅間神社です。実は、こんな所に小さな神社があるなん、恥ずかしながらついこの間まで知りませんでした。

友に連れられ行ってみれば、周囲はお隣りの人ごみとは比べようもなくひっそりとしています。それが浅草富士浅間神社です。

「表には出ていないけれど、頼めば麦藁蛇(むぎわらじゃ)を出してくれるらしいよ。」

たしかに表に面した台の上にあるのはいわゆるお守りやお札だけで、「麦藁蛇」らしきものは見当たりません。「あのお、、、」とおずおずと切り出せば、巫女さんが人数分の袋を奥から出してきてくれました。

麦藁蛇、1000円です。ぽっこり膨らんだ袋の中に入っていたのは、縦16センチ、横10センチほどの実に素朴なお守りでした。Tの字を逆さにした縦軸に、編んだ藁が蔦のようにからまっています。これが麦藁蛇なのでしょう。そう言われればなるほど、くねくねと登っていく蛇に見えないわけでもありません。

袋の中には「いわれ」の説明も入っています。面白いのでそのままご紹介してみます。

「江戸時代の草紙『江戸塵拾』において『寛永の頃、駒込の喜八という者が、ふと是を作って富士浅間神社の祭礼の位置で売った所、多くの人が珍しげに買って帰り家の中に飾った。その年の七月に疫病が流行ったが、是を飾った家の人は一切病気にならず、その後誰もが祭礼の際に是を求めた。』とあり、そうしたことから江戸中の浅間神社が麦藁蛇を御守として頒布するようになったと伝えられています。

 当浅草富士浅間神社に於いても昭和初期頃までは境内において植木市の風物として頒布されていましたが、いつの間にかその形を見ることはなくなりました。」

さて、この次が面白い所。

「そもそも蛇という生き物は古来日本において水神である龍の使い(仮の姿)であると考えられ、水による疫病や水害などの災難から守ってくれると信仰されています。また別の意味では厄除けや雷除け、火防せの蛇として信仰もあります。

 水は人間の生活に決して欠かせない命の源であり、蛇をモチーフにした麦藁蛇を水道の蛇口や水回りに祀ることにより、水による災難から守られ、日々の生活を無事安泰に過ごせるとされています。」

 そしてどうなったかと言いますと、

「この度、この失われかけた風習・文化を保守し後世に継承していくことを目的として、麦藁蛇を浅草富士浅間神社の御守として再現する運びとなりました。」

 巳年の今年に私たちの目の前に現れたのは、そんな大きなお役目を担う小さな蛇さんだったわけです。

それにしても面白いもので、「あなたってまるで蛇のような人ね。」などと言われて喜ぶ人はまずいないと思います。英語でも「snake」と言えば陰険な人、冷酷な人を暗示します。それなのに、出るところに出ればこうして御守としてあがめられるのですから。

同じことは、蛇が仕える水神様、「龍」についてだって言えるでしょう。

昨年9月にワシントンの小さなミュージアム「Textile Museum」で開催されていたのは、様々国や地域の織物に織り込まれた龍の姿をテーマにした特別展でした。ある所では力のシンボルとして崇められているかと思えば、ある所では悪をもたらす忌むべき魔の使いとして退治され、、、、、

蛇社会も龍社会も、なんだか私たち人間社会によく似た気がしないでもありませんね(笑)。

 http://blog.platies.co.jp/article/58445352.html 
(「小さな、でも素敵な『Textile Museum』 2012/9/23)

By 池澤ショーエンバウム直美


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1月23日(水):スパイスワンダーランドへの旅〜シナモン、オレガノ、ベイリーフ
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 12:50| Comment(0) | 日本ライフ
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