2013年01月13日

二つの言葉 二つの文化

まず最初に、
これはスペインの国旗です。
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そしてこちらはカタルーニャ州の州旗です。
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時は昨年11月も末、所はスペイン、バレンシア。
私たちが満員の客席の中で待っていたのは、シルヴィア・ペレス・クルスという若い女性歌手のコンサートの開幕でした。その時、流れてきた館内放送の響きを今でもよく覚えています。それは意味がわからないだけに、優しい波に乗っているような、ふわふわした心地よさで包んでくれるものでした。

そこでこんな経験をしました。

セニョラス セニョレス

という「Ladies & Gentlemen」に当たる呼びかけに続くメッセージが終わって、一息入れたかと思うや、、、、

セニョレス セニョース

同じようでいてどこかが違います。その後に続く諸々の注意事項らしきものも、最初に聞いたものとはどことなく違う気がします。

これがカタルーニャ語というものでした。国としての公用語は「標準スペイン語」と呼ばれるものですが、スペインには、カタルーニャ語、ガリシア語、バスク語という公用語があります。カタルーニャ州の南に隣接するバレンシア州でも、二つの言葉が併用されているのでしょう。

スペイン第二の都市バルセロナを都とするカタルーニャ州は、独自の文化や歴史、言語を背景に発展してきました。それゆえに愛国心ならぬ愛州心というものも中途半端ではないようで、いくたびかスペインからの分離、独立の動きが持ち上がってきたことも知りました。町を歩けばそこここで、スペインの国旗ではなく、カタルーニャの州旗を掲げているバルコニーを見ます。
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折しも、州議会選挙が行われた11月25日に私たちはバルセロナにいたのですが、駅の構内には「独立」を目ざしての大きなポスターがたくさん貼られていました。口や目に絆創膏が貼られているのは、反対派による悪戯でしょうか。
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選挙の結果は独立派の勝利となりましたが、住民投票の実施については微妙なところのようです。

さてさて、先日、「Fifty Shades of Grey」というメガヒット小説のスペイン語版のことを書きましたが、写真を見ていたら、今まで見過ごしていたあることに気づきました。

まずこちらは、マドリッドの本屋さんです。
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次にこちらは、バルセロナの本屋さんです。
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表紙の体裁は同じ、書かれているアルファベットもよく似ていますが、どこか違うと思いません?

マドリッドの本屋さんに並んでいたのはスペイン語訳で
バルセロナの本屋さんに並んだいたのはカタルーニャ語訳でした。
同じスペイン、新幹線なら2時間45分で着いてしまう距離です。

By 池澤ショーエンバウム直美


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1月12日(土):ムサカの相方は全部適当なトルコサラダ
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 12:55| Comment(2) | スペインライフ
この記事へのコメント
  州議会選挙のことは日本の新聞でも報道されましたが、これほどまでに独自の言語を保持、維持し続けていても一方では「共和国」体制を撮り続けることの意義も大きいような気がします。スペインの歴史をよくは知らないのですが、多くの内戦と歴史に残る植民地活動の歴史を考えると興味深いものです。

  多数の言語、文化を含む欧州共同体の今後も一つの国を超えた社会だし、将来「地球国家」の概念を築き上げられるとしたら、如何に個の言語・文化を維持しつつ共和国、共同体、そして地球国のような人間社会の形成へ向かっていけるのか?と思いました。その時こそ戦争のない平和な世界になるのでは!

Posted by 邁 at 2013年01月14日 08:50
それぞれの言語や伝統、文化を保ちながらも、境のない共同体を作るという試みに共感し応援をしながらも、旅を続ければ続けるほど、その困難さを感じます。EUひとつを取っても、近年行ったギリシャ、イタリア、オーストリア、スペイン、フランス等では英語が全く通じない場面も数多くありました。ただ、ギリシャ人の親友の娘さん達がイギリスの大学を出てロンドンで仕事をしているところにご両親が一緒に住んだり、イタリア人の知人がフランスの別荘との間を車で頻繁に行き来しているのなどを見ると、そしてパスポートも必要なく、通貨を換えることもなく気楽にそうした移動をしていることを見聞きするとにつけ、境が低くなっていることも否定できませんし、将来への希望も抱き続けたくなります。
コメントをありがとうございました。御礼が遅くなって大変失礼をいたしました。
Posted by 邁様へ at 2013年01月22日 10:10
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