2013年01月06日

私の役割 その1〜共に年を重ねる中で

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昨年はそれぞれに思いもかけないアクシデントがあって、語っていた近未来のさまざまなことを一度はあきらめました。けれども、それは意外なことに、思っていたほどに辛いことではなく、そういうものだと一旦覚悟をつけてさえしまえば、担うべき役割として受け入れることができました。いくら不運を嘆いたところで、怪我をする前の自分に戻ることはできませんし、病気になる前の自分に戻ることもできないのですから。

東京の病院で、そしてワシントンの病院で、検査から検査への移動に夫の座った車椅子を押しながら、私は何年も前のあることを思い出していました。

出会ってしまって、年甲斐もなく恋などしてしまって、自分が進むべき道を迷い悩んでいた時のことです。アメリカ人のご主人と何十年もの結婚生活を営んできた同い年の友人に正直に迷いを打ち明けました。その裏には、「大丈夫よ」とばかりに肩をポンと押してくれるだろうという期待があったのかもしれません。

ところが彼女が間髪を入れずにこう言ったのです。

「あなた、年を考えなさいよ。結婚をするということは幸せばかりではない。どちらかが明日病気になって介護が必要になるかもしれないリスクも併せ持っているのよ。あなたできるの?車椅子を押したり、おしめを交換したり。」

予想を裏切るシビアな意見でしたけれど、自分でも驚くぐらいに咄嗟に口をついて出たのがこんな言葉でした。

「わたし、他の誰かにそれをやらせたくない。私が車椅子を押して、私がおしめを交換したい。」

すると、彼女が静かに微笑んで言いました。もしかしたら大学の先生の彼女は、私に試験を与えていたのかもしれません。

「じゃ、さっさと結婚することね。」

あの時思わず口から出た思いは、今でもちっとも変わりません。むしろ共に過ごす日々を重ねれば重ねるほど、それが誇りと共に担うべき「私の役割」だと感じるようになりました。

幸い大事には至らず、残りの2012年の計画を予定通りに進めることができたことをありがたく思いながら、2013年初めての朝にさりげなく夫にたずねてみました。

「私の車椅子を押してくれる?」
「Why not! I will take you wherever you want to go.」

今朝、数えてみたら百合が20輪も開いていました。
漂う香りの中で、まだ11も蕾が残っています。

By 池澤ショーエンバウム直美


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1月5日(土):ふうふう わいわい がやがやの新年お鍋

posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 12:55| Comment(0) | パートナーシップ
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