2012年12月19日

旅は道連れ 運転は共同作業〜マドリッドへの道

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あの日、グラナダを発ったのは朝の8時45分、珍しく夜の間に雨が降ったようです。石畳を覆う落ち葉がしっとりと濡れて、山から下界へと下りた霧は、まるでこの美しい地に私たちを閉じ込め、引き留めようとするかのように行方を閉ざします。それでも私たちはマドリッドへと走り続けなければなりません。

途中降り出した雨が止み、次第に霧が晴れて、どこまでも続くオリーブの畑が現れました。さすがにオリーブの生産量第一位を誇るスペインです。
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ちなみに、オリーブの生産国の98%は地中海諸国、そして、その3分の2がヨーロッパです。FAO(国連食糧農業機関)の統計によれば、2010年のオリーブの総生産量2057トンのうち、スペインは801万トン、つまり約4割を占めています。

祭日の合間だからでしょうか、高速道路には後にも先にも車の影もありません。
給油ついでに最初の休憩を取る頃に、またワイパーが必要なぐらいの雨になりました。

マドリッドまであと307キロ、雨脚が強まり始めました。
230キロ、雨が上がりました。
遠くに低い山をいだく平野が連なります。
荒野と言った方が適切かもしれません。

読み始めたばかりの「アルハンブラ物語」(ワシントン・アービング、江間章子訳)の最初の章にはこんなくだりが見られます。

「多くの人びとは、スペインというと、官能的なイタリアの華麗な魅力を想い浮べて、その地つづきのあたたかい南国を想像しがちだろう。地中海に沿った一部には、そうした土地もあるが、広大なスペインの国土の大部分はさびれた憂鬱そのもので、荒涼とした山岳地帯と、一本の木とても生えていない茫漠とした平原にわかれている。野蛮で、アフリカを想わせる底知れぬさびしさと静寂。そうしたものがいちめんに漂っているのが、実はスペインの土地なのである。」

あと220キロ、外の気温は8度を示しています。
小雨に変わった中で目に映り始めたのは、ひたすら続く赤い地面でした。
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あと150キロ、短く刈られた葡萄畑が豊穣の後の寂寞を見せます。
降ったり止んだりの雨の中、私たちは走り続けます。灰色の雲が厚く空を覆います。

100、50、30、、、、、
マドリッドが次第に近づきます。
車が増え、見えるのは、オリーブ畑や、荒野や、赤土の平野や、刈り取られた葡萄畑ではなく、空に向かって高く伸びたビルです。
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到着した空港のホテルは、青い光の中にありました。
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車のメーターを見れば、グラナダからマドリッドまではおよそ430キロ。
くしくも、バレンシアからグラナダへの道とほとんど同じ距離です。

スペインでの国内移動でお勧めしたいのは、まずはAVEやAVANTなどの高速で走る新幹線ですが、全ての移動がこれでできるわけではありません。その場合にはやはりレンタカーに頼ることになります。車の旅には魅力もたくさんあります。時間に制約をされることもありませんから、自由気ままに寄り道をすることができます。ガイドブックに載っていないような小さな村を訪ねることだってできます。

けれども、注意しなくてはならないことが2つあります。1つは、オートマ車を見つけにくいことですし、もう1つは、一人での運転には無理があるということです。スペインに限ったことではありませんが、旅先での運転には、標識を読んだり、地図を見たりする相棒が必要です。加えてそれがロングドライブならばなおのこと、話し相手が必要となります。

旅は道連れ、運転は共同作業。
これはまた、一緒に達成感を味わい、同じ思い出を共有する喜びをプレゼントしてくれたりもします。

By 池澤ショーエンバウム直美

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グローバルキッチンメニュー
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12月19日(火):クリスマスのテーブル
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 23:57| Comment(0) | スペインライフ
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