2012年12月01日

悠久の大河の流れの一滴〜エンプリエスにて

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何となく車を止めて迷い込んでしまったのは、海へと続く林の中。
足を踏みしめながら歩かないと、吹き飛ばされそうな強風が吹き渡り、
うつむきながら歩かないと、小さな砂粒が顔に当たる林の中。
それでも一歩ずつ歩いていけば、波音も風音もますます猛り狂って、
そこはまるで別世界。

12時を刻む教会の鐘さえもかき消され、
子供なんてひとりもいやしない光の中のブランコとシーソーは、
まるで真夜中の遊園地。

なんだろう、なぜだろう、この急き立てられるようなざわめきは、
と、砂浜に出てみれば、怒る海を真っ向から受け止めて、
海の中にすっくと立っていたのは、
妙に懐かしい気がする石の壁でした。

林を越えて眠る遺跡が続きます。
いえ、深い眠りから引きずり出されて砂塵を巻き起こす、
怒る遺跡かもしれません。

これが、紀元前6世紀、ギリシャの商人たちによってイベリア半島に作られた小さな植民地、「Empuries(エンプリエス)」との出逢いでした。

コスタブラバとよばれる美しい海岸線を辿る私たちの旅の一番の目的は、この忘れられた遺跡を訪ねることにありました。けれども、目立つ標識があるわけでもなく、探しあぐねていた時に、たまたま車を止めた地点から迷い込んだのが、風が抜ける林であり、荒れる海であり、それらと共存するように広がる古代ギリシャの遺跡、「エンプリエス」だったのです。

旅の途中で、私たちはよくこうした、何かに引き寄せられるような不思議な経験をすることがあります。この「エンプリエス」だって、多少なりともギリシャに所縁のある私たちへ先達がもたらしてくれた恩恵なのかもしれません。

遺跡に立ち、歩くたびに思います。
私たちは悠久の大河の流れのただの一滴。
ひたすら降り続く雨のひとしずく。
だからこその感謝と、だからこその思い。

「エンプリエス」の歴史、そしてコスタブラバの息を吞むような美しい光景についてはまたあらためて書かせていただきます。

今日、特急列車で南へと3時間、バレンシアに移りました。
冬のはずなのに気温は16度、人々は外テーブルで食事を楽しんでいます。

By 池澤ショーエンバウム直美


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グローバルキッチンメニュー
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11月30日(金):コスタブラバでのお日様いっぱいシンプルランチタイム
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 03:04| Comment(0) | スペインライフ
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