2012年11月30日

モンセラットで心洗われ、モンセラットで心慌てて

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カタルーニャ一帯の中でも最も高く険しいモンセラットの山の中腹、標高725メートルの地に、実に壮大な修道院が建っています。最初に建てられたのは11世紀のことでした。

その始まりは880年、羊飼いが山の洞窟で見つけた「黒いマリア像」でした。以来、この地は巡礼者たちの聖地となり、マリア像は、今でもバシリカ(教会堂)の祭壇上部に、祈る者たちを見下ろすような形で置かれています。巡礼者でなくとも脇の通路から階段を上ってマリア像の前に立つことができます。とだえることのない行列は少しずつ動きながら、人々を黒いマリア像へと運びます。ここから眺める階下の教会堂は圧巻です。

正式に参拝するには、宇宙の象徴の玉を支えるマリア像の右手に接吻をし、もう一方の手で、永遠の命を授けてくれる幼な子イエスに我が身を捧げる身振りをしなければならないのだそうです。

モンセラットで「黒いマリア像」と並んで知られているのは、14世紀から続く少年聖歌隊です。約50名の少年たちが特別な音楽教育を授けられ、毎日2回、午後1時と7時10分に聖歌を歌います。

私たちはタイミングよく1時に教会堂の椅子に座り、白いガウンを着た少年たちが登場し、よく澄んだ高い声と一糸乱れぬハーモニーでグレゴリア聖歌を歌い、またきちんと並んで退場するまでの場に居合わせることができました。月並みな言葉で言えば、心の澱(おり)が洗い流されたようでした。
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たかだか725メートルと言えども震えるほどに寒く、夏場には開いているであろうカフェの扉も閉まり、展望台へと向かうケーブルカーも運休です。ブルブルと震えながら駐車場まで下ったところで、思いもかけないアクシデントが起きました。
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迷いながらバルセロナの町を抜けて、ひたすら高速を走り、クネクネと続く山道を登ってやっとたどり着き、さて帰ろうかという段になって、どうしても車のエンジンがかからないのです。朝、借りたばかりのレンタカーです。慣れていないとは言え、何かが明らかにおかしいのです。変な音までします。

一時は途方に暮れましたが、二人そろってオロオロしたところで仕方がありません。夫はヘルプを求めるために再び山道を上り、私は車の中でわけもわからぬスペイン語の操車マニュアルを、勘を頼りに読み続けることとなりました。結果、、、、、

かれこれ2時間もたった頃に、大きな黄色い車が上って来て、整備服の男性が下り立ちました。メカ音痴の我々が息を吞んで見つめる中、動かぬ車のボンネットを開けて、、、、箱のようなものを持ってきて、、、、
とにかくあっという間に直ったのです!
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最悪の場合は、私たちの車を引っ張ってあのヘアピンカーブの坂道を下りなければならなかった彼もホッ、私たちもホッ、ということで一件落着し、冷や汗をかきながらの2時間の後は、寄り道を諦めてまっすぐバルセロナに帰ることになりました。そして、無事に戻った夕食のテーブルで、こんな会話がなされることになりました。

「モンセラットは『カタルーニャの聖地』と言われるだけあって、全てが素晴らしかった。けれども、何年かたって最初に思い出すのは、動かない車に慌てた時のことかもしれないね。旅と言うのは、トラブルのあったものほど懐かしい思い出になるものだから。」

そして、私たちの数々のトラブルの思い出たちが、ひとつ、またひとつと、楽しくなぞられることとなったのでした。
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By 池澤ショーエンバウム直美


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グローバルキッチンメニュー
http://blog.goo.ne.jp/naomiwakuwaku 
11月28日(水):バルセロナ最古のレストラン「7つの扉」
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 04:17| Comment(0) | スペインライフ
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