2012年09月23日

小さな、でも素敵な「Textile Museum」


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突然涼しさがやってきました。そのせいか疲れまでがやってきたかのようです。暑さに負けじと張っていた気が、心地よい涼しさに崩れてしまったのでしょうか。

深夜の雨音をききながら、ある場面を思い出しています。
ワシントンを発つ前日の、眩しいほどに晴れた日の光景です。
しとしと雨の夜になぞるなんてなぜかしら、と思いながら。

デュポンサークルという、大使館が建ち並ぶ瀟洒な町の一角に、「Textile Museum」という小さな博物館があります。その名の通り、世界各国から絨毯やタペストリーなどの布織物を収集した博物館です。スミソニアンの美術館群・博物館群からは離れて、孤高の美を放っています。ここもまた、私のヒーリングスポットのひとつです。

今やそのコレクションは、世界各国から2万点近くにも及ぶと言います。けれども、建物自体はさほど大きいわけでもありません。ここはもともとが、ジョージ・マイヤースという富裕な織物収集家の住まいだったのです。製薬会社のブリストル・マイヤース社の創立者のひとりです。

アメリカという国は時折飛びぬけたお金持ちを生み出します。そして彼らのほとんどが「Nobles Oblige(高貴なるものの義務)」として、ごく当たり前のこととしてその富を社会に還元しているのです。ジョージ・マイヤース氏も55年前に亡くなるまでに4千点もの織物を購入し、それを惜しげもなく博物館に寄贈しました。今だってかなりの運営費がかかると思いますのに、入場無料です。

今、このミュージアムではドラゴン(龍)をテーマにした特別展が来年の1月6日まで開催されています。怖い龍も、優しい龍も、悪い龍も、良い龍も、たくさんの龍が様々な国や地域の織物に織り込まれています。たとえば、中国、ラオス、日本、インドネシア、イラン、ギリシャ、ペルー、パナマ、、、ある所では力のシンボルとして、ある所では忌むべき魔の使いとして、、、崇められたり、退治されたり。
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スミソニアンの美術館や博物館のような膨大な点数があるわけではありませんが、学芸員の手によって、きちんと展示され、説明をされています。

ここが好きなのは、いつ行こうが静かなこと、ここで働く人たちがみな感じが良いこと、奥深く腰を沈めることのできる椅子でビデオを見ることができること、たとえそこで本を読もうが昼寝をしようが誰も何にも言わないこと、織物の疑似体験をできるコーナーがあること、そして何と言っても裏庭の素晴らしさでしょうか。
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折しも、4つの椅子の前で流れ続けるビデオは日本の有職織物についてのものでした。
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展示室から日差しに溢れた明るい庭に出れば、ランチボックスを広げて談笑する男女の姿が見られます。このミュージアムに足を踏み入れてから初めて見る賑わいでした。華やかさこそありませんが、心落ち着く庭です。一緒に行ったジュディスが言いました。
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「ここで結婚式をやったら素敵ねえ。」

そんなアイディアにいたく感じ入った女二人、次々と湧き起るイメージを抑えかねて、受付のご婦人に言ってしまいました。

「こちらで結婚式やパーティーをおやりになったら素敵でしょうねえ。」

すると、ご婦人がいともにこやかに、いともエレガントに微笑みながら

「ええ、やってますのよ。去年は8組の方がここで祝宴をおあげになりました。」

至れり尽くせりの企画は期待できませんけれど、お勧めです!

ところで、何とも残念なのは、一昨日から始まった「The Sultan’s Garden〜The blossoming of Ottoman Art」展の前に帰ってきてしまったことです。オスマントルコの栄華を極めたサルタンたちの絨毯やタペストリーを間近に見る機会でしたのに。
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トルコは大好きな国です。そしてその歴史を学ぶ中で、もちろんギリシャとの絡みはありますが、オスマントルコという文化にとても惹かれています。

それなのに、私たちが行った時にはまさに準備中。すぐそこにサルタンの愛したタペストリーがあるのに、立ち入り禁止で近づくこともできませんでした。
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心残りのまま家路につきながら、ふと気づきました。開催期間は来年の3月10日まで。
ほっ!

                              By 池澤ショーエンバウム直美


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9月22日(土):シマウマさんに一目惚れ
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 00:53| Comment(0) | アメリカライフ
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