2010年11月04日

ジュリエットの胸、触れますか?

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 ミラノは4日ぶりに太陽が顔をのぞかせて、寒さも和らぎ、美しい秋の水曜日となりました。
 毎度毎度の帯状疱疹話で恐縮ですが、、、、、

 忘れもせぬ10月25日、月曜日の発症の日、ガルダ湖という大きな湖に面したRiva Del Gardaという旅先の町の、雨に濡れて駆け込んだ小さなクリニックで、ドクター・アイコが言いました。

「そのうち赤い色が紫色に変わるからね。それまでの我慢だよ。」

 そばで私よりも真剣にうなづいていた夫(笑)。以来いったい何日たったでしょうか。
週も変わり、月まで変わったと言うのに、私の症状はちっとも変わりません。それが今朝、、、、、

 鏡に映る右の背中の 「発症第一号」 が、明らかに他とは違う色合いになっているのです。「来た、紫が来た!」 とばかりに、夫に報告すると、何と言ったと思います?

「スゴイ(ここは日本語で)! Perfect! Great! Teriffic!」

 いえ、決してからかっているのではなく、きちんと真面目に、まっすぐに。
 「いやあ、それほどでも」 などと照れながらも、言われたこちらは、まるで良い成績を取って先生に褒められているような気分。この時ばかりは、痛みもどこかに吹き飛んだようでした。

 こういうのって、共同生活をしていく上でやっぱりいいですよね。中には、いそうじゃないですか。

「遅いねえ、まだ直らないの? どこか悪いところでもあるんじゃないの?」 とか、
「つくづく運が悪いねえ。 ふつうだったらもう直ってるところだよ。」 とか、
「君のおかげで予定が随分狂っちゃったよ。」 とか、、、、、

 何の気なしに発している、そんなネガティブ言葉。知り合いにもいます、います。
 会うなり 「大丈夫ゥ?何か随分疲れてるみたいだけど。」 これなんかも、言われるたびにドドッと疲れます。私なら、別れ際にさりげなく言います。「じゃ元気でね。疲れがたまらないようにね。」

 ところでもう一つ、共同生活に案外必要なものは 「恥らい度数」 がなるべく近いことだと思うのです。何が良い、悪いというのではありませんけれど、人にはそれぞれ恥ずかしいことがあります。

 たとえば、発祥の地ならぬ発症の地ガルダ湖から東に30キロ、中世の古都ヴェローナ。
ここにロミオとジュリエットが恋を語ったというバルコニーを持つ 「ジュリエットの家」 があります。小さな中庭にはブロンズのジュリエット像が立っていて、人が行列をなしています。

 次から次へと、ふくらんだジュリエットの胸にわが手を当てては、にっこりと微笑んで写真を撮ってもらう人、また人!。男女が両側から胸を片方ずつ触ってパチリ!などと言うのも日常茶飯事な光景。どうやら、ジュリエットの胸を触ると恋が叶ったり、願い事が叶ったりすると信じられているようなのです。

 ちょっと考えれば随分矛盾しています。ジュリエットと言えば叶わなかった悲劇の恋のヒロイン、どうしてそれがこんな風に変わってしまうのでしょう(笑)。

 私は、行列に並んで順番を待ち、ジュリエットの胸をさわりながらニコリと微笑んで、写真を撮ってもらうことはできません。そういう乗りが何だか気恥ずかしいのです。夫もそうですし、一緒に居たマークもジュディーも同じです。私たちは、記念写真を撮る人たちでごった返す 「ジュリエットの庭」 に居ることすらも何だか気恥ずかしくて、早々に退散をしたのでした。もちろんそんな気恥ずかしさ、誰も一言も口にはしませんでしたが。

 ここで4人の中の1人が、「待って、どうしてもジュリエットと一緒に写真を撮る!」 とでも言い張れば、私たちはとても居心地の悪い思いをしたに違いありません。

 「ローマの休日」 で人気に火がついたサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の 「真実の口」 なんかも弱いですね。別に手が抜けなくなるのを恐れているわけではありませんけれど、やっぱり長蛇の列の中に身を置いて、誰もが必ずやりたがることをするのが気恥ずかしいのです。

 行く先々で、「はい、ポーズ」 とばかりに記念写真をたくさん撮られるのも気恥ずかしくて困ります。ましてやVサインはできません。今回の4人旅行にしたって、夫もマークも一切カメラというものを持たない人、ジュディーは時々景色をパシャリ。私はブログ用にパシャリ、パシャリ。全員集合の写真も、自分自身の写真もほとんどありません。

 まあ、心地よい共同生活、旅仲間の条件は人それぞれ。
 それでもやっぱり、ネガティブ言葉をなるべく使わないことだとか、恥らいの感覚が似ていることなどは、けっこう大切な要素ではないでしょうか。

 紫色になったというのに、まだキリキリ、シクシクです。
 今夜はスカラ座でバレー 「オネーギン」。
 朝から我慢していた痛み止め、勢いつけて飲んじゃいます。

PS.一目惚れして以来ずっと惚れ続けている、無敵の貴子さんにも弱みがあったことを発見。
鳩ですか、鳩ですか、鳩なんですか。懐から鳩を出すマジシャン修行でもしましょうかしら(笑)。弱みのある貴子さんてますます可愛くてチャーミングです!(http://fellowshipxxx.blog35.fc2.com/blog-entry-186.html
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グローバルキッチン http://blog.goo.ne.jp/naomiwakuwaku 
11月3日(水):貴族の食卓〜クラウディオとジュリアの場合
11月4日(木)予告:トピナムブル この不思議なモノ
11月5日(金)予告:ヴェローナのオペラ付きレストラン
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 00:40| Comment(0) | パートナーシップ
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