2010年10月21日

しなやかで、たくましい世代

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 24時間のメンテナンスが終わって、「これで繋がった。」 とほっとしていたら、とんでもないことに気づいてしまいました。設定が全部初期化されてしまって、再び、IDだとか、パスワードだとか、ドメイン名だとか、サーバーパスワードだとか、、、、例のごとくにわけわからない言葉に翻弄される羽目となってしまったのです。

 困ったことに、そうした控えは全て東京に置いてきてしまいました。
 今回ばかりは、カメラのケーブルも、PCのケーブルも、電話の充電器もカメラの充電器も、Cタイプのコンセントも、ぬかりなく持ってきたはずでしたのに、やられました。全く、何が起きるかわかったものではありません。この手のものは、きちんと手帳にでも書いておくものですね。

 東京のお助けウーマンとやりとりしながら、何とか元通りに使えるようになりましたが、普段はごく普通だと思っていたものが、実はこんなにありがたいものだったとは!

 ミラノ暮しの間に、いくつか取材をしたいこと、しなければいけないことがあって、一昨日の火曜日に飛び込み参加をさせてもらったのが、『LA CUCINA DI GIULIO』(ジュリオの台所)。イタリア人シェフのジュリオと日本人のルリコ夫妻が自宅で行っている料理サロンです。

 ジュリオとルリコの明るいキッチンにこの日集まったのは、ミラノに住む若いママたちが6人。下は5ヶ月のベビーから、上は2歳半の坊やまで、子供は子供同士でママたちの邪魔をせずに遊んでいます。初対面の人たちがいようが、なんとも穏やかないい雰囲気です。もちろん私は番外篇の最年長(笑)。

 そんな和気アイアイの雰囲気の中で、遠い昔のある光景を思い出していました。

 私も彼女らと同じように、異国の地で子供を産んだ若い母でした。属する組織の指示で転勤をさせられた身と違って、私たちは自らの意志で自らの暮す場所を選びました。それがギリシャのアテネでした。そこに住まう大方の日本人たちは、私たちとは全く違う生活をしていました。ある特定の高級住宅地の大きな家に住み、中にはメイドさんや運転士さんまでいるお宅もありました。日本人同士でお付き合いをし、英語が通じる高級スーパーで買い物をする日常には、ギリシャ語などまるで必要ありません。

 「日本人会婦人会」 などという集まりがあり、当時日本大使館に勤めていた私も、一度だけ仕事で顔を出したことがあります。自己紹介の段になって、本当にびっくりしてしまったのは、

「○○の部長の△△でございます。」
「◇◇の支店長の☆☆でございます。」

という具合に、次から次へと受け渡されていくリレーのバトンは、声の大きさで言えば、
○○>△△であり、◇◇>☆☆ であったのです。ご婦人方は、○○という会社であり、そこに勤める△△さん(ご主人)であるだけで、個人ではなかったのです。

 話の内容にも驚きました。日本の名門デパートの話、日本の名門店の話、日本の名門学校へ
のお受験の話、、、、、、ギリシャの文化や言葉についての話などこれっぽちも出てきやしなかったのです。

 いよいよ私の番になりました。

「池澤直美と申します。」
「はあっ?どちらの?」
「日本大使館に勤めております。」
「はあっ?ご主人様が?」
「いえ、私です。」
「はあっ?ご主人様はどちらのお会社に?」
「いえ、どちらにも」

 ここら辺まできて、私は完全に仲間外れとなりました。もっともその方がずっと心地よかったのですけれど(笑)。

 以来、どうも海外での日本人の集まりは苦手です。
 ですから、「ジューロの台所」 でも、初めはけっこう身構えていました。
 が、違うのです、全く違うのです。

 誰もご主人の話などしやしません。自分の言葉で自分のことを話しているのです。
 そして、どこからどうみてもたおやかな人が、こんなことをごく普通に言うのです。

「私、一人目の時は切迫流産でいきなり入院させられちゃって、ここの病院に随分お世話になりました。このお腹の子もここで産むつもりです。」

 予想の何倍も楽しい時間を過ごして家に帰ってみたら、待ち構えていた夫が興味津々で、「どうだった?」

 一通りのことを報告したら、

「それで、その方たちのご主人ってどこの会社の人たちなの?」

 と聞かれて絶句!そう言えばそんな話題、ただの一度も出ませんでした。そうした場で、聞くのも無粋というもの。聞かずにいるうちにお開きになってしまいました。

 若いママたちは、たがいに上手に情報交換をしながら、つかず離れずの距離感でほどよく繋がっているように見えました。そして海外での暮しも子育てもハンディとは思わずに、あっけらかんと潔く、自分自身の時間を楽しんでいるように見えました。

 うらやましいぐらいに、しなやかでたくましい世代です。

 『ジュリオの台所』はこちらです。(http://giulio71.exblog.jp/
 詳しい内容は、近々「グローバルキッチン」の方で書くつもりですが、お勧めです。
 なにも居住者でなくたって、旅の途中に一日だけでもこうした機会をとりいれれば、いつもの旅とは一味も二味も違って、素敵な「暮らし旅」になることでしょう。
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グローバルキッチン 
http://blog.goo.ne.jp/naomiwakuwaku 
10月21日(木):才女ネリーナの晩餐
posted by 池澤ショーエンバウム直美 at 21:05| Comment(0) | その他メッセージ
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